「趣味なのになんで金取るの? 見て貰いたいなら無料でネット公開すれば?」
「は、ナニ言ってんの印刷代だって金かかるんだよ有料頒布だって赤字だよ」
「いいものにはちゃんと金払えよなんでも無料で手に入るって思ってんじゃねえよ」
みたいな議論を見かけるのですが。
「Webで無料公開の作品なんて、ちやほやされて喜んでるけど無料じゃなきゃ読んで貰えないカス作品しかないだろ」
て感じで、流れ弾的にdisられることがある。
ネットが普及して無料で読める作品がたくさんあるから、読み手がそれに慣れてしまって、自分の作品まで無料にしろと文句を言われて困るという話も聞く。それは確かに嫌なものだろう、でもそれって、Webで活動してる人間が悪いんだろうか?
そもそも二次創作同人って、原作が好きで、その原作をベースに自分のドリームを乗っけた作品を書いて、それを同好の士と分かち合いたいから印刷して本って形にして頒布してたんですよね。んで、形にするのにお金がかかるから、その一部を読む人にも負担して貰おうってことで有料になってるんですよね? 少なくともタテマエ的には。
インターネット普及以前には、書いたものを沢山の人に読んで貰うにはそのやり方以外に無かったのだろうけど、いまはそうじゃない。むしろ「同好の士と分かち合いたい」という原点に立ち返るなら、読者数を限定されないWeb公開のほうが、ピュアなやりかたと言えるかもしれない。(Webの場合、見たくない人の目にまで見えてしまうという問題はありますが)
もちろん、即売会に参加して生身でやりとりするとか、表紙デザインや装丁にこだわるとか、作った物にお金を出していただく喜びを噛みしめるとか、有料頒布の印刷物を作ってないと体験できない楽しみが沢山あるのは知っていますが、それは派生的なものであって、二次創作の本筋ではないよね。
それを含めて同人誌作りの楽しさだと語ってくださるのは構わない。楽しそうでなによりだと思う。
でも、それこそが同人活動の楽しみだ、という主張には頷けません。
同人誌を作る人もいれば、Web公開を選ぶ人もいる。それは個人の選択であって、どちらが上とか下とか、他人が格付けすることじゃない。
「印刷物としての同人誌が好きだからWeb公開じゃ満足できない」って人がいるのはわかるし、好きにすればいいと思う。でも「同人誌をつくることこそが二次創作の本流、Webでだけの活動は格下」と見下す人が多いのは、どうにも腑に落ちないぞ。
おまえがそう思うのなら、そうなんだろう。お前の中でわな。