もう1か月ほどで産休に入る、私より3歳年上の同じチームの先輩がこう言い放った。
最近よく『ワーク・ライフ・バランス』っていうじゃないですか。
残業なんてせずに、みんなもっと自分の時間を持ったほうがいいと思いますよ!」
しかし、私や同じチームの他のスタッフだって好きで残業しているわけではなかった。
その先輩が体力仕事は極力しなくていいように、先輩のぶんの体力仕事はすべて私たちで分担して行っていた。
残業せずに帰ることができるように、実習生や新人の指導、委員会活動も私たちが行っていた。
実習生や新人の指導は中堅以上でなければ行えない業務なのだが、私の同期も当時育休中だったため、若手スタッフの多いうちのチームではそういった業務はすべて主任と私の2人だけに回ってきていた。
もちろん先輩だけが悪いわけではないのはわかる。
スタッフを増員してくれない上層部や職場の雰囲気なんかにだって問題はある。
でも、当時の私は通常業務だけでも忙しいのに、さらに慣れない指導業務もしながら
「業務量が多くて毎日忙しくても残業ばっかりでも仕方がない、だって妊婦さんはみんなで支えあわなきゃ」
と思って働いていた。
もう、心がぽっきり折れた。
妊婦で通常の業務量をこなせないから申し訳なさそうにしてろ!なんて言わないけど
それができていれば、こんな発言はしないはずだ。
産休や育休を取る人は当たり前の権利を使うんだから、何も文句はない。
でも、自分のためにも周りのためにも少しくらいの気遣いをしてほしい、なんて思うのは妊娠も出産もしたこともなくていつもそのサポート役になる側の人間のワガママなのだろうか。