「徹頭徹尾ナンセンス映画でさ、狂気の中では80年代アメリカ風の青やピンクのカラフルな色遣い、現実はすさんで、臭くて、すえた臭いがするような描写で落差をつけててさ」
「今度マーベルヒーローのデッドプールをやるライアンレイノルズって役者が主人公なんだけど」
「ひょんなことで同僚のマドンナをXXしちゃって、そっから統失もっとこじらせて他の同僚も……って話」
「なんつーか、サイコキラー、シリアルキラーって無個性なんだよな。特にパラノイアだから自分で意図したわけじゃなくて、要するにラリパッパの結果、っていうか。映画自体は駄作だったよ。」
「ひとりだけ忘れられない同級生がいるんだ」
「色白で黒髪がツヤツヤで、最近流行りのちょっとだけ目の離れた涼しげな美人で、誰にでも優しくて、泣きぼくろがあった。これは事実。本当の話。しかも賢くて志望は国立医学部だった。浪人後は知らないが絶対に受かったに違いないよ。すごくキレイな人で女神に見えたんだ」
「俺はそのころいじめられてて、何もうまくいかなくて、彼女の隣の席で彼女を解体する妄想ばかりしてたんだ」
「それ以前も以降も、女性を好きになったことはない。解体する妄想も、最高にキレイな人じゃなきゃ意味なくて、牛や豚や鶏を解体する動画を見て、人体の解剖を学んで、人体ならどういう順序で解体すべきか何度も何度も脳内や紙の上でシミュレーションしたんだ」
恋愛睡眠のすすめを思い出した