2015-07-31

日中尖閣で踊るダンス

アジア安全保障:小さな岩礁、大きな問題

最前線中国を抑えようとする沿岸警備隊の闘い

2015.7.31(金) The Economist

 中国沿岸警備隊はほぼ10日ごとに、日本外相が昼食時までに中国外相正式な抗議を申し入れるのに間に合うよう、午前8時に現地に到着する。週末に現れることは、あまりない。最近、これはちょっとした儀式になっている。

 中国艦船は、中国領有権を主張し、釣魚島と呼ぶ日本尖閣諸島から12カイリの領海線内に侵入する。

 そして、中国船が国の名誉が満たされたと判断し、領海から立ち去るまで、日本海上保安庁の小型船が中国艦船を用心深く追尾するのだ。

 このちょっとしたダンス改善と呼ぶといい。何しろ2012年には、反日熱が最高潮に達し、尖閣諸島海域への攻撃的な侵入が、中国が無人の岩礁を巡って隣国日本戦争まで仕掛けるのではないかというリスクを浮き彫りにしていたからだ。

 こうしたダンスを繰り広げているのが、白く塗られ、最小限の武器しか持たない沿岸警備隊艦船であるために、双方は比較的簡単に撤退できる。だが、暗灰色軍艦が近くでうろついている。中国がここ数カ月手を緩めている1つの理由は、水平線のすぐ向こうに日本海上自衛隊の確かな存在があることだ。

 そして、両国尖閣を巡って衝突するようなことになれば、米国は、日本の援護に駆けつけることを明確にしている(米国領有権問題に関する見解を一切主張していないが、戦後日本占領時代には爆撃訓練のために尖閣諸島を使っていた)。

 東アジアで抵抗に遭った中国は、もう少し簡単な標的に目を向けた。南シナ海島嶼、岩礁、環礁である。これらの島嶼や岩礁は長い間、沿岸諸国特にフィリピンベトナムが関与する領有権問題対象になってきた。だが、中国はこの1年、急激に緊張を高めている。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44438?page=2

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