自分の幼い頃、平仮名の書いてあるブロックを組み合わせて単語を作れる知育玩具が家にあったらしい。
「あんたはまだ文字も教えてなかったのに、そのブロックで『これが私の名前!』と自分の名前を並べてみせたので皆びっくりした」というのが、自分の幼少時を語る時のうちの母親の十八番だった。
実際小さい頃から本が大好きで、言葉は遅かったのに読み書きの上達はめっぽう早かったという。3つ年下の妹は逆に、読み書きはからっきしだが愛想が良くてぺらぺら喋るという対照的な育ち方をしていたようだ。
独りで勝手に文字を覚えられるわけも無いから、長い事「母親が見てない隙に父親が教えたんだろう」と勝手に思っていた。
子供にも育児にも全く無関心で、女遊びや散財に現を抜かした挙句家を出て行った父親がそんな事をするとも信じがたかったけれど、父方の祖父母は遠方、母方の祖父母は早世しており、他にあてが思いつかなかったので。
そうしたら最近、娘が35も過ぎた年になって、母の口から大変な新事実が明らかとなった。
曰く「(妹)が産まれた頃はお母さんも親戚や近所の皆も、産まれた赤ちゃん(妹)が可愛いんでついそっちばっかりちやほやしてたんだけど、一人だけそうじゃない人がいた。学校の先生をやってた女の人で『○○ちゃん(自分)は頭がいいね』と言って、あんたのことをとても可愛がってくれたんだよ」。
おいどう考えても平仮名教えてくれたのその人じゃねーか!! なんで気付かなかったんだよ!!!1
顔も悪けりゃ愛想も無い、運動音痴で頑固で、小さい頃からリア充だった妹が持っている可愛らしさのかけらもなかった自分には「本を読むのが大好きなので、自然と学校の勉強も得意になった」という唯一の取り柄があった。
奇跡的に生まれつき本が好きだったおかげで、辛うじて「なんにも取り柄のない駄目人間」であることを免れたのだろうと思っていた。
なんの事はない、その時の女先生に褒めてもらった事がきっとよっぽど嬉しかったのだろう。
もしも本が好きじゃなかったら、唯一の取り柄の勉強すら出来なくて、もっと酷い人生を送っていたんだろうと思う。
見た目の優れた姉妹がいて、日本神話のコノハナサクヤヒメとイワナガヒメの話を聞いたことがある喪女なら誰でも知っているような気持ちを、例外なく自分も抱えて生きて来た。
これで「お姉ちゃんは頭がいいね」「○○さんはいい子だね」と褒められる事すらなかったら、自分はとてもまともに生きて行かれたかどうか分からない。今頃心を病んだ引きこもりニートか何かになってとっくに野たれ死んでいたかも知れない。
なのに顔も名前も、そんな人がいた事すらさっぱり思い出せないなんて恩知らずな話だ。
時々「ジョジョの奇妙な冒険」の4部で幼い仗助を助けたリーゼントの学生みたいに、3歳の自分に日本語を教えたのは、実は未来からタイムスリップしてきた自分自身なんじゃないかとバカな妄想をする事がある(4部の学生の正体は結局不明のままだったんだけど)。
ええ話や。
心の支えって必要ですね。 ーーー ジョジョの冒険で言うと、 イタリアンマフィアが、陰ながらスタンド使いの少年を助けてくれたって話も、好きだわ。
いい年してんなこと考えてんの恥ずかしくねえのかよ どうでもええわ
敢えて文字を教えなくても(これが「あ」でこれが「い」とか、そういう風に教えなくても) 絵本の読み聞かせなんかをしていれば勝手に覚える事もあるよ。 平仮名ブロック置いている...
とても好きだ
これで35て・・・ 卑下しつつ実は己を過大評価してることにも気づいてなさそうな・・・ やばいなこいつ
「可愛がられなかった私カワイソー」 「あの素晴らしい一言がなかったら死んでたかも☆(ゝω・)vキャピ」 クズじゃん んなしょーもねー承認なしでも生きて行ってんだよ世界中の...
遅くなったけど うんちブリブリ
典型的な物語人間 記号化された妹が可哀想だ