2014-11-04

すっかり参ってしまった

 大学に入ってからというもの、全てがうまく行かなくなってしまった。

地方の大したことな高校から東京の名門大学に入ることができた。高校の時から付き合ってる彼女もいた。趣味もたくさんあった。勉強も好きだった。サークルも気に入ったところに3つほど入った。

 だけど、入学から一ヶ月も経つと、まず授業についていけなくなった。努力がたりなかったのかもしれない。教授が何を言ってるのかさっぱりわからない。あんなに高校の時は大学勉強するのが夢だった物理学化学経済学に全く興味が持てなくなった。学者になりたいという漠然とした夢はあっという間に潰えてしまった。

そこで劣等感を感じていたのかもしれない。サークル人間関係がうまくいかなくなった。というか、こちらが一方的に一緒にいた人たちのことが気に食わなくなってしまった。こうして大好きだった趣味からも離れてしまった。道具は今も大切に持っているが、趣味を楽しむような気持ちには到底なれない。

 不可だらけの成績通知をもらって夏休みに入ると、今度は浪人していた彼女と別れた。彼女は僕になにもしてあげられないのに気ばかり使わせて申し訳ないから、と言っていた。そうなのかもしれない。だけど本当のところ、僕がもうどうにもならないところに来つつあることを遠距離で会えなくとも薄々感じていたのだろう。

実家に里帰りしたときほとんど家にこもっていた。親には単位が取れなかったことと、このままでは留年してしまいそうだということだけを話した。怒られはしなかった。ただ、いくら無理だと思っても頑張って何とかするしかないだろう、とだけ言われた。

 東京にもどってからは本格的に家から出ないでテレビもない一人の世界にこもっていた。今度は自分の癖や欠点がとても目立って来た。止められない爪を噛む癖。いくら頑張っても朝起きられないこと。反対に夜寝られないこと。三日坊主。物忘れ。あとは物をどこに置いたか忘れること、これは一番辛い。一日二回以上スマホをどこにおいたか忘れる。たった六畳のワンルームの中でそれを10分以上探している間中、自分はなんてダメなんだ、こんな簡単なことができないなんてという考えがずっとのしかかってくる。こんな人間社会に出たってどうやってうまくやっていけるんだと考えたら目の前が真っ暗になる。これまでの人生、それなりにうまくこうした欠点と付き合ってきたのにそのバランスが一気に崩れてしまったようだった。自分のすること、自分の考えてること全てが自分じわじわと殺さんとしている。死ぬ勇気はない。ただ心だけがどんどんすり減っていく。本当に参ってしまった。

  • 高校までの授業は、 何を教えて、何を教えていないか、をちゃんと考慮して教える順番が定められているから、誰でもすぐに理解できる。 しかし大学の授業は、 理解する前提として知...

  • どんな学問分野に興味があってどの学部に入ったんだい? 学問は楽しいぞ。

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