高校の頃J-POPにハマって「演歌?(笑)」とか「もうそんなの聞いてるの?(笑)」
みたいに歌謡曲をバカにしていた。今思うとガキだった。毛髪もふさふさだったし。
俺と仲が良かったスギヤマは演歌が好きみたいで川中美幸だの、天童よしみだの、よく大衆向け歌謡曲を聴いていた。
俺は内心でバカにしてるだけじゃなく、堂々とスギヤマを罵倒したりもした。
スギヤマはIQが低い。俺に批判されても「難しいことわかんねえよ!」って笑って済ませようとする。
俺なら売られた喧嘩はディベートして完膚なきまでに論破してやるのに。
だけど、最近中年になってちょっと考えが変わってきた。さっきも言ったように、今までの俺はガキだったんだ。
思ったことすぐ言うロケンローラー的な要素があったが、ロケンローラーは責任を取らない(笑)それじゃダメなんだ!
話を戻すと、演歌の良さは歌詞の具体性にある。小節が効いていて、一言一言が心に響いてくる。
J-POPがIQ80~100向けに対して、歌謡曲つまり演歌は80~130ぐらいまで手中に収めている。
あれだけ毛嫌いして、見下していた演歌、歌謡曲が今では大好きになった。
価値観が一周して大人になったってことだと思う。
ただ正直スギヤマの事は今でもバカにしてる。
もしあいつがIQが高くて、「俺は音楽云々を語るなんて幼稚なことにリソース使うつもりはない。
そんなのどうでもいい。適当に脳をリフレッシュさせられればそれでいい。だから演歌でいいんだ」
ぐらい言ってくれるならわかる。共感できる。
だが、あいつの場合は違う。あいつは単純に水木れいじが好きなんだ。
俺だって水木れいじは好きだ。だけど、そのやり方はスマートじゃないし、俺の哲学に反する。