2013-04-30

児童ポルノ規制についてよく分からないこと

大人の身勝手な欲望に起因する虐待行為から実在の)児童を守る、という趣旨は大変よく分かる。分からないのは、児童に欲情するという性的嗜好自体が規制対象となるという部分。

我々は「想像」を罰することができるのか。人生の中で知ってか知らずにか、身に付けた性的嗜好の内容が犯罪的であれば、その人は自動的に犯罪者になるのか。その部分を、規制派が余りに安易に飛び越えている気がして、大変困っている。


何度かあちこちで言ったことであるが、もし「想像」を罰することができるなら、レイプもの痴漢ものアダルトビデオは真っ先に規制対象ではないか。嗜好すること自体が犯罪ならば、そういったビデオを好む人間が「犯罪者であることは明白である。従って、ホラーやスプラッタを見る人間など、もうどこかの孤島にでも閉じ込めるべきだろう。そのような身の毛もよだつ表現を愛好する人間は、ことごとく犯罪者といって構わない。ミリタリーマニアは、自衛隊に入隊するもの以外即時に公民権を停止して構わない。とにかく、あらゆる犯罪行為を扱ったフィクションの作者・読者のいずれも、塀の中でその嗜好を矯正される必要がある。

そうなると、もう公序良俗に反するあらゆる表現規制した方がいいように思えてくる。詐欺裏切り、盗み、不倫行為違法薬物が登場するようなあらゆる表現規制される。「単に人が死ぬ」だけの場面であっても、嗜虐的な性向をもつ人間を刺激する可能性があるので注意が必要だ。健全安全で正しく美しい天国のような世界表現したものけが許される。惜しむらくは、そういう社会を維持運営する行為現実想像すると、おそらく健全にも安全にも正しくも美しくも見えないだろうという点だ。そうなると、もう現実規制するよりほかない。たとえば着替える際に、自分の裸を見る行為すら犯罪であるかもしれないのだから

想像規制する」というのは、そういうことだと思うのだが、どうして人はそのステップを簡単に上がってよいと思ってしまうのか。そして、現実虐待されている多くの子どもを救う直接的な行為(たとえば子育てへの手厚い支援や児童相談所の権限強化等)に対して、延々と消極的であり続けられるのだろうか?

http://anond.hatelabo.jp/20130429211830

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