http://tokiy.jugem.jp/?eid=800
長い間平和が続いたせいか、行政は、責任回避のエキスパートばかりになってしまっているようである。専業主婦の年金未加入期間をどうするかという問題で、当時の民主党の長妻大臣の意向に従って通達を出した課長が、予算措置が必要な事を通達で勝手にやったとして詰め腹を切らされたのが、効いたというのもある。民主党の大臣が責任を取ると言っても誰も信じないし、法や規則で決まった事しかやらないし、それも、可能な限りやらずに済まそうとなってしまっている。法や規則で決まっている事でも、好ましくない結果がでれば詰め腹を切らされると、誰もが理解している状態なのである。
災害現場において行政機構が機能していない状態では、誰が要請を出すのか、そして、その要請の書式や届出先はどこで、それをどのように災害現場に伝えるのかという点で、要請が来てからというイベントドリブンでは役に立たないのだが、災害現場の行政機構が崩壊しているのは現地の問題であって、それを受ける側の責任ではないという、事勿れ主義が蔓延しているのである。
要請が来てからというのは、自称被災者代表というのが現れて、物資や援護金の交付を求めても、詐欺と見なして、門前払いするという手法である。
現場に、最低限の物資を持った人間を送り込んで、現地組織の立ち上げ、被災者の名簿作り、必要な物資の量と種類の確認まで行わせた上で、帰参報告させて、以後は現地組織代表からの要請を受けて送出という状態になって、初めて、要請が来てから送出するという事務処理が回るようになるのだが、そのような手続きは、法にも規則にも定義されていないので、誰もやらないのである。
事務処理を回すには、その為の根回しや組織作りが必要であり、この部分を誰も行わないというのが、今回の大震災における政府・行政の行動から、明らかになった。正規の行政ルートが潰れた時には、政治レベルで、すなわち、町会から、区議や市議、県議、政党組織といった、地方政治の人脈で臨時の組織を立ち上げるというのが期待されていたのだが、津波によって集落が丸ごと消滅するという規模の被害だと、そういった人脈自体が消滅してしまうので、被害にあわなかった地域から人を送り込んでオルガニゼーションをやらなければならなくなるのである。
津波によって現地の行政組織・政治人脈が崩壊している時に、要請が来ないから何もしませんと開きなおるような政府・行政は、必要であろうか。平時においては税収に匹敵する人件費を食い潰し、緊急時においては責任回避のエキスパートぶりを発揮して何もしない事を正当化するというのでは、養ってきた意味が無いし、行政に携わる人々をそのような体質に変えてしまった政府・民主党は、それ以上に害悪でしかない。