2022-05-08

【求】後悔という怨念に立ち向かう方法

子なしだが仲睦まじい老夫婦がいる

子供が欲しく長年治療したが夢は叶わなかった

その分親戚の子らをかわいがっていた

ある日夫が倒れて半身不随言語不明瞭になった

妻は献身的に自宅介護した

自営業も細々だが続けていた


無理が祟って妻もかつて患った大病がぶり返す

(かつての大病時には夫が献身的介護していた)

妻も入院加療が必要になったところで夫の施設入所が決まり住民票も移された

50年以上ずっと一緒に暮らしていた夫婦ははじめて別居することになった

妻も夫婦ふたりで長年続けた自営業を辞めることにした

折しも最初緊急事態宣言のころだった



以降夫とも会えぬまま妻の病状もだんだん悪化

度々入退院を繰り返すようになった

夫婦ふたり、お互いに両親には恵まれなかったので

裸一貫からふたりの稼ぎだけで建てた家が妻の何よりの誇りだった

地域の基幹総合病院が隣町にあるもの

クルマがないと不便なところにある家だ


度重なる大病の影響で妻にもやや半身麻痺認知機能低下が出始めた

主治医からも今後の運転は危ないと言われ

後期高齢者年齢に近づくこともあり親戚一同でやんわりと話しした結果

本人納得のもと免許返納とクルマ売却した

以後は行政オンデマンドバスタクシーを使いながら週1の通院を続けている

新しい薬と相性がよいのか最近は一時期に比べればとても元気だ


そう、元気なのだ

「みんなよってたかってこちらを病人と決めつけて免許を取り上げた」

バスは不便だしタクシーはカネがかかる、クルマがあればすぐなのに」

「こんなに元気なんだから運転できるのに」

「買い物にも夫の施設の見舞いにも行かれない」

妻はもともと口が悪いがここにきて恨みが重なり毒の濃度が要ガスマスクレベルにあがっている

先行きの見えない不安とか

血族よりはるかに長い時間を過ごした伴侶と引き裂かれた悲しみとか

コロナ禍で誰とも思うように会えない、出かけられない苛立ちとか

そういった本人も処理できないであろう感情でないまぜになってるのは理解できる

ただ、全方位猛毒スプリンクラー続けていたらそのうちみんな周りから遠ざかっていっそう孤立してしまうだろう

後悔という病はおそろしい

できなかった道、断ち切らざるを得なかった未来が総天然色で襲い掛かってくるのだ

申し遅れたがこの夫婦自分の伯父伯母で、俺は伯母方の甥だ

俺はまだ甥の立場から多少毒も聞き流せるし向こうも手加減してるけど(俺自身に向くヘイトは今のところないしな)

実のきょうだいである俺の親とかには相当すごいことを言ってるっぽい

自分がどんなふうに老いていくのかはわからんけど

俺も独り身である意味いまの伯母と似通った立場からなんとなく背中が寒くなる

綺麗に老いるのは予想以上に難しいんだろうな

どんなに良好な関係であってもまだ生きてる相手に向かって現預金その他資産のありかと大まかな額を教えろとか言えねーよな

うちの親はこれをオブラートくるまず言っちまったせいで伯母の逆鱗に触れたからな

これは余談だけど結婚して子供を設けることが前提の日本相続の仕組みがそろそろ柔軟にならんもんかね

  • 結婚して子供つくればよかったじゃん、日本なんだし それわかってそういう人生歩んだのは全然いいと思うけども、わかってやったんでしょ みんな日本をわかってるから結婚して子供産...

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