2020-10-10

文庫本の値段のインフレが止まらない

最近文庫本の値段がもはやかつての文庫本ではない。

文庫本は1000円以内で買えて、1000円を超すのは大判単行本。5年前くらいまではこんな認識だった。

では、令和2年の市場に出回っている文庫本の値段はどうだろうか。

高い。いかんせん高い。1000円を優に超える“文庫本”なんでザラなのだ


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おかしい。2000円出せば文庫本を3冊買えるという感覚だったのに。今は2冊でも予算オーバーではないか

ネットで読みたい本を探し当てても、値段を見て絶望する。税込ではなく、税抜で1000円オーバーだったときのショックさは説明できない。

増税出版不況、紙の価格の高騰、電子書籍の台頭等、紙の本の価格インフレが起きる理由何となく想像できるし、本の値上がりは現在社会において不可逆的で、受け止めなければならない現実であることは分かっている。

しかし、それならばページ数と装丁の豪華さが価格と比例していない状況はどう説明すればいいのだろうか。

とある上下構成ミステリー小説書店で購入した。1冊1100円ずつ、合計2200円だった。両方とも400ページも無く、ページ数としては特別多いわけではない。

コニーウィリスの小説上下巻セットで購入したときも同じくらい取られたけれど、こちらは上巻だけで600ページ超。これだけ厚ければ仕方ないよねと諦めがつく。

ちなみに半沢直樹の1巻は同じくらいのページ数で、800円出してお釣りが返ってくる。

こうして他の本と比べると、高い買い物しちゃったなあと後悔するとともに、やり場のない怒りが込み上げてくる。

どうして、どうして(比較的)薄い本にこの値段を払わねばならないのかと。

加えて、件のミステリー小説本文の紙は、お世辞にも良質な紙とはいえなかった。読書中にシミのようなものを見つけ、自分で汚したのかと思ったら紙の汚れだった、ということが何度もあった。

そもそも文庫本って、「単行本廉価版」として売り出されているものではなかったのだろうか。

ハードカバーの本は劣化しにくく長期保管に適している。それに、なによりも本らしさを実感できるのはハードカバーだと私は思う。ハードカバーでなくても、講談社BOXやハヤカワポケミスのように変わった装丁がウリのシリーズもある。そして、単行本場所を代わりに文字が大きかったり紙が明るかったりするので、読みやすい。

今挙げたような単行本長所が発揮されない代価として、安価で買えるというのが文庫本長所ではないのか。

もはや文庫本単行本の値段に近づきつつある。ここまできたら文庫という形態にする必要がないのではと私は考える。


長くなってしまったが、紙の本が好きなので、最近の謎の価格設定に余計に納得がいかないのだ。

不平不満を言いながら割高な文庫本を購入する私のような消費者出版社にとって立派なカモなのだろうが、ここまで強気の値段を連発されると、じきに購買意欲が無くなるだろう。古本屋フリマサイトでいいやとなる(図書館は返却期限があるのでイヤ)。

お気に入りレーベルを見つける程度には現在進行形で読書に没頭しているので、出版業界は衰退して欲しくない。

から、世の中の需要喚起するためにも、私のためにも文庫本を安くしてほしい。

価格インフレメカニズム完全に理解したところで、私が本の値段を下げられるわけではないから。

安ければ違う本を何冊も買って、結局は浪費するアホな顧客のままでいるから!!

あと、文庫と銘打っているのに1500円とかいう超・強気価格設定は本当に勘弁してくれ!!!

  • メイン購買層である、文庫を読み捨てる乱読派は電子に移行しているだろうからねえ。 文庫でも紙って時点で趣味のもので、よいカモというよりはそういう人も一定いるから今のところ...

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