2015-12-04

パートに出た話

ここ数ヶ月パートを始めた。

家計を助ける為、という名目ではあったが実際は今一番好きなアイドルに、お金を気にせずに貢ぐ為だった。

からは、普段から「早くパート行ってくれ。そしてお小遣いをくれ」と耳にタコが出来るくらい言ってきていたので、私がパートに出る事には大賛成だった。

でも私は渋った。パートに出ると自分がどんな風になるか分かっていたからだ。

しかし、一番好きなアイドル貢ぐ、と言うかCDアルバムDVD雑誌を購入するのにあまりに莫大な金額が掛かることが分かり、私は重い腰を上げパートに出るべく偶然見つけたとあるお店に電話した。

そこのお店は随分と人が足りていないのか、電話をしたらその日の内に面接来ることは出来ないか、と打診された。しかしその日は風邪を引いた子供たちの病院があったので面接は後日にしてもらった。

そして面接当日。まさかの立ったままで行われた面接では、あまり重要な事を聞かれずこんな事でいいのだろうか、と内心心配している内にその場で採用が決まった。

パート初日、お店を見回すと、成る程、私が心配していた事柄は起きそうにないな、とそっと胸を撫で下ろした。ビクビクとしていた人間関係も幸いいい人達ばかりに恵まれ安心してパートに取り組む事が出来た。

元々趣味であった事をパートに出来たので、仕事内容自体も楽しくたまに店長理不尽さに他のパートさんと一緒になってぷりぷりと怒る程度であった。

しかし、様子が変ったのは、普段いた社員が別の人に変わった頃だ。

最初はあまり接点もなかったので、なんて事はなかったのだが、私の働くポジションパートに慣れてきた頃、その人と隣り合って仕事をする事が増えた。

すると感じる、店長と働く時と随分違う仕事の早さ。細やかな所に気付く優しさ。寡黙なのに話すと目尻を垂れ下げて楽しそうに笑う笑顔

もう、ダメだった。子供を産んでからの数年、男性と関わる事は夫か、父親か親戚、それか病院先生だった私にその刺激は強過ぎた。

から優しくされるのすらいつぶりだろうと言った感じだ。トキメキかないはずがなかった。ドキドキしないはずがなかった。

人と話してドキドキするなんて、本当に久しぶりだった。話しながら笑われるとなんだか嬉しくなった。もっと笑ってほしいなぁと思って、夜になると何回もその笑顔を思い出した。その度に胸がドキドキした。

私にはこうなる事が分かっていた。

パートに出る事を渋っていた理由の一つにこれがあったからだ。

私は男性経験が極端に少ない。少ない、と言うか付き合ったのも今の夫だけだ。

から、なのかそういう性分なのかは分からないが、所謂チョロいのだ。元々チョロいのに、何年も男性と接さず優しくもされていない所に、新たに優しくされると簡単にそちらへ転がってしまうのは明白だった。

周りからパート行かないの?と言われるたびに パートなんか行って、自分ちょっと好みの顔がいてさ、その人に優しくされたら絶対好きになるもん。んでさ、夫とか子供の顔見るたびにごめんな…ってなって病むもん!と言っていた。

自分である程度予想していた事がまさかぴったり当てはまるとは思っていなかったが、今の私はまさしくこの状態だ。

からと言って何か行動に移すことは考えていないし、相手側にも家庭があると周りから情報で知っているから、何もするつもりはない。

ただ仕事中に与えられる生暖かい優しさに身を委ねて、少し話す時に笑ってくれたらそれでいいと思うのだ。

与えられてる優しさも実は私の盛大な勘違いかもしれないし、普段話さないあの人が内心で私をどんな風に思っているかなんてこれっぽっちも分からないが、それを口に出さない限りは勘違いだとしてもその優しさに身を委ねていたいのだ。

こんな事になるからパートに出たくなかったのに、今はあの人に会う事を楽しみに仕事へ行くのだから本当に私はどうしようもないな。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん