オリジナル映画『前々テロる』の版権を持つ"富士ブレイン"社が、「グッズ化で受け取ったお金は200万円」と告白したことで物議を醸した「グッズ使用料」。
グッズ化において版権会社が受け取れるお金について増田エンタテイメントが独自に調査した。
その仕組みとルールを解いていくと、日本グッズビジネスの構造的な問題が浮かんできた。
先日放送された報道番組において『前々テロる』の版権を持つ富士ブレインが
「当社のオリジナル脚本による映画『前々テロる』のグッズ売上が100億円だったのに、(当社が受け取った)グッズ化使用料は約100万円」と告白したのだ。
不公平と思われる金額にネットは炎上。グッズを製作した"気まま利ざや"社に、抗議が集中する騒ぎとなった。
『ぶなっしー』『えどにゃん』などのグッズ販売を大成功させたグッズメーカー、やわキャラエンタテインメント代表・増田次郎氏はこう語る。
「大ヒット映画だからといって、グッズが必ず売れるとは限りません。グッズ販売は非常にリスクの高いビジネスです。
けれど、仮に失敗したとしても、版権会社には使用料以外に二次使用料などの収入が補填されます。
お金に関して日本は映画制作会社を比較的大事にしている方だと思うのですが」
例えば関連グッズが億単位で売れ原作映画の知名度が上昇した場合、DVD販売やレンタル、地上波放送などで、映画制作会社には合計1億円近い二次使用料が入ると考えられる。
これにBS・CSほかテレビ放映料、映画館での再上映の収益配分が加わり、知名度と人気の上昇による次回作での興行収入増ももちろん期待される。
日本における映画制作会社とグッズメーカーがもめる原因のほとんどは、クリエイティブとビジネスの話を混同してしまっていることだ。
グッズ販売は、版権会社のほかグッズメーカー、デザイナーや販売小売店、流通など、利害関係が複雑だ。
本来は連携しあうべき各者がそれぞれの立場で自己主張を通し始めると、最悪は訴訟合戦に発展しかねない。
明確にしておくべきだが、グッズ化で映画制作会社は金銭面でのリスクは負わない。安かったとしても使用料は支払われ、映画のパッケージは売れるし、作品の認知度も上がる。
グッズ化がなければ発生しない利益を、ゼロリスクで享受できる立場なのだ。
たとえ、グッズ販売によるメーカーの利益が数十億円、版権会社の受け取る使用料が200万円であったとしても、黙って享受するのが日本式ビジネスの美学ではないだろうか。
前出の増田氏は、「以心と伝心を理解し、空気を読むことで日本式のビジネスは上手くいく。今回の富士ブレインさんの騒動を見て今後はみんな黙っていてくれるのでは」と期待を寄せる。
これ以上、古き良き日本の商習慣が壊されることのないよう願うばかりである。
(ライター コノ文章ハフィクションデス、 実際ノ個人団体事件等トハ一切関係アリマセン)
参考にした現実のお話 → http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2501A_V20C13A9000000/
寺前事件ひどいなと思ってたけど、そう聞くと普通に妥当に思えてきた 結局、何もしてない、何のリスクも取ってないわけだからなぁ