2024-11-09

文化資本と解けた魔法

都会の話をすると文化資本の話になる

とにかく地方で育つと文化資本貧困のまま大人になるそうな

この話題を聞くたびに、小学校の頃英雄だった直角を思い出す

 

まだ勃起を知らなかった頃、直角は一人で勃起を編み出していた

ちんこを掌で高速にピタピタと張り倒すことで大きく反り返らせる特技で、直角は直角の徒名をほしいままにしていた

特に直角にしたちんこ立ちションをすることで誰も到達できない飛距離を達成するテクは、直角にしかできない大技だった

俺達の中で英雄だった

 

それを塗り換えたのは横浜から転校してきた長野だった

引越し元の地名横浜で、そいつ名字長野だ。ややこしいがしょうがない

長野は知っていた。直角は勃起という生理現象で男なら誰でもできるということを

おしゃれなカフェ経営していた長野の家に親友のナベと遊びに行った時、長野の姉ちゃんの部屋にあった雑誌のようなものに書いていた

そこには「こんなテクでカレを喜ばせちゃおう!」みたいな説明文と一緒にちんこをさわったり舐めたりしている女性イラストがついていた

 

ナベは空気読まないので、「いつも姉ちゃんにこんなしてもらって勃起してるの」って聞いたが

長野は「気持悪いこと言うなよ」などと言いつつ、にやにやしながらズボンの上からちんこを触っていた

ズボンの上からでもわかった。直角のちんこより明らかにかい

 

長野は他にも、これは年を取れば誰でもできること、普通は人前では話さないからみんな知らないということ、

大人になって恋人ができるとプレステでは遊ばず雑誌のようなことをして遊ぶことなどを語った

俺は長野の姉ちゃんの部屋で、魔法が解けていく時間を感じた。それは俺達の中で英雄だった直角が色あせていく時間だった

これが、俺の心に刻まれ文化資本の差の記憶

 

長野のその後は知らない。クラス変えで別のクラスになり、また他所友達魔法を解いていったんだろう

中学以降疎遠になり、久しぶりに長野の家を見かけたら別の店になっていた。確か釣具とサーフィンの道具を売ってる店だったと思う

長野は何をしてるか知らない。直角は葬儀屋で、ナベはJRで元気に働いている

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