2024-11-05

三連休祝日宗教勧誘が来た

三連休祝日特に予定もなく、1LDKの狭い部屋でゴロゴロしてた。

そんな昼下がりにピンポーンってインターホンが鳴った。

ん?と思って玄関まで向かい、ドアの先を確認

そこにいたのは大学生くらいの若い男と、その後ろに控えめに立つ、指導役みたいな年配の男性

若い子が手にしてるのは、明らかに宗教パンフレットだった。

ああ、例のアレねと悟るものの、特に予定もなかったんで付き合ってみることにした。

ドアを開けると若い子ははにかむように笑い、「突然すみません神様って信じてますか?」と開口一番聞いて来た。

なんとも直球だなぁと思いながらも「まぁ、一応信じてますかね〜」って適当に返事してみた。

するとびっくりするくらい目を輝かせて、「ほんとうですか!?」と声を弾ませてきた。

それから神が如何に偉大で世界を救う存在なのかの説明が延々と続き、まぁこういうのって話が長くなるよなぁ・・・と思ってたんだけど、つい悪戯心で口を挟んだ。

「それってつまり、神が“推し”ってこと?」

若い子は「え・・・?」と一瞬固まった。

それでも俺は構わず、「ほら、最近よく言うでしょ?〇〇推しって。神様っていうのもさ、要するに“推し”ってこと?」と聞くと彼は明らかに困惑した様子を見せた。

必死笑顔を作って「ええと…いや、推しっていうのとはちょっと違っていて…」と既にしどろもどろだった。

「は?違うの?どこが違うんですか?それって推し文化否定するってこと?」なんて、ちょっとオーバー気味に話を詰めたら、若い彼は助けを求めるように振り返って年配の方を見る。

しかし年配は何も言わず、まるで今回の勧誘路上教習のように事の成り行きを見守っていた。

若い子は何も言えなくなってしまって、黙ってしまった。うつむき気味で、動揺が手に取るようにわかる。

そこで俺は「神様推しなのか、それとも違うのか、どっち・・・なんだい☆」と両手を腰に当て胸筋を前面に押し出し、きんに君のマネをしたら相手はもうパニック寸前。

たじろぎ、後ろの年配の男性に助けを求めるように再び振り返った。年配はどこか遠い目をして、微かに首を横に振った。

老年回れ右をして家の前から去って行く。

すると若い子もそれに倣うように「あの…すみません、お時間もあれですし…」なんて言って一度だけペコッと頭下げると、逃げるようにその場を去っていった。

一人残された俺は寂しく「パワー☆」と、開けっ放しの玄関に向けて叫んだ。

遠くの何処かで、遠吠えのような犬の鳴き声が、響いて聞こえた。

  • 空想だねえ 宗教の人、そんなんでパニクったりせんよ わざとわけわからん応対するやつには一方的に決まりきったこと言うだけだよ

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