とある国内IT企業大手で組織が崩壊しつつあり、1人の社員として、それを目の前で目の当たりにしている。
もともと縦割りの組織に課題を感じていた会社は、部門横断的なプロジェクトを走らせるラジアルウェブ型の組織体制を導入することになった。アイデアとしては素晴らしい。縦の壁を壊し、部門間の連携を強化することで、効率的なプロジェクト推進を目指すはずだった。
しかし、実際に始まってみると、その理想とは程遠い現実が待っていた。各社員が自分の意向や得意分野に関わらず、プロジェクトに次々とアサインされていった。特にやりたいことやできることが反映される余地はなく、誰もが組織全体の目標に従わなければならなかった。結果的に、やりたくない仕事を任される社員が増え、退職者が続出していった。
退職者が増えると、彼らが持っていた業務を他のメンバーが引き継ぐことになり、さらに余裕がなくなる。負担が増し、社員は自分が本来やりたい業務に専念できない状況に追い込まれていった。皮肉なことに、縦割り組織を解消しようと導入されたはずのラジアルウェブが、かえって社員のモチベーションを奪い、組織の崩壊を加速させている。プロジェクトを企画する上位層が残り、現場層は次々と退職している。組織が望んだラジアルウェブではなく、それは蜘蛛の巣のように、スカスカの組織になってしまっている。
私はこの状況を、ラジアルウェブの負の側面だと感じている。社員一人ひとりの意向や能力を無視してプロジェクトを割り振ることは、短期的には成果を上げるかもしれないが、長期的には組織を破壊する原因となりうる。目の前でそれが起こっている今、組織の未来が見えなくなってきた。
どこでも大体そんなもんだよ。理想な組織にしたかったらいつまでも脛囓ってないで会社立てな