家族の推しが炎上して2ヶ月、どんどん家族の性格が悪くなっている。
炎上前より不寛容になり被害者意識が激しくなった。分担して行っていた家事も出来なくなり、他の家族に当たり散らす始末。
夕飯を一緒に食べれば何度聞いたか分からない推しの事務所への愚痴を言い、つい生返事をしたり、嗜めたりすれば「私のこと考えていないのね」とヘコむ。前向きになろうよ、と慰めれば「貴方にはどうせ分からない」と言う。耳にタコが出来た話を可哀想だね、辛いね、と同意する以外のことはぜ〜んぶ「攻撃」と受け取る。
自分が全く関係ない話をしている時でも隙さえあれば推しの事務所への愚痴を差し込んで、同じ話を繰り返す。そして上記の選択が繰り返されるのだ。
これで、逆に自分が落ち込んだ際に相談をしたら「考えすぎ」と返されるのだからやっていけない。それどころか、私だって…と推しの事務所への愚痴を繰り返すのだった。
推しのライバルグループへの愚痴も激しくなった。ライバルグループのファンを悪様に叩いた日には、自身は推し活が邪魔されると怒るのに、人の活動のことは嘲笑うのかとドン引きした。
推し活の一環としてファンアートを描いていたが、ずっといいね!の数を気にしてイライラしていた。
自身は推しへの愛を喋りファンアートをたくさんの人に見られたいのに、他人の推し語りやファンアートは解釈違いが許せない、私よりいいね!が伸びてたらヘコむからと頑なに見ようとしなかった。
推し活と言うのはファン同士の交流も醍醐味だとよく聞くが、家族にとっては苦痛の方が大きいように見えた。炎上する前から苦しそうに見えたのだった。
というけど家族の様子を見ているととてもそうは思えない。
自分で手綱を握れない、コントロール出来ないものにアイデンティティを預けるのは危なっかしい。推しが炎上したら自分は何もしてないのに一緒に燃えてしまうんだぞ。