ドラムをやっていた。子供の頃から他にも色々とやっていたがステージに出るのは楽しかった。
しかし基本的には己と向き合うのが楽器だ。孤独だ。孤独だから楽器を追求できる。
音楽は続けると2つに分かれていく。楽しくやりたい人と、突き詰めたい人だ。
おそらく音楽を続けている人は多少は突き詰めたことがあるはずだ。教示されて音楽をしていて怒られないことは殆どない。音楽業界には気が強い人が多い。強くないとやってられないから。
それでも流石に物を投げる人は時代とともに減ったが気の強さは残っている。
音楽世界は楽しみたい人と本物になりたい人が混在している世界だった。
ジャズ業界はあんな人いないなんてイメージアップ戦略もすぎるだろう。あの業界で成り上がろうとするやつなんてとんでもない傲慢さがないと無理だ。
自分の限界を感じるほど練習ができて本当に良かったと思っているが、ある日突然心が折れた。
毎日何時間も血を出しながら練習してきたが、自分の演奏能力が大したものではないと気づいたのだ。
セッションを見ると会社や部活でのブラックあれそれを思い出す人が多いのは頷くが、そういう間接的な感想は持てず、自分はもしあのまま突き詰めていた時どうなっていたのだろうと、ストレートに主人公を自分に重ねた。
最後の最後、あんなのはもはやセックスだと思うのだが、とんでもないセッションをしてしまう…というのがこの映画のタイトル回収になる。
バッドエンドだという見方が正しい。が闇落ちエンドと言ってくれたほうがしっくりくる。
辛くて長い音楽人生だが、あんな人生一度しかないだろう最高のご褒美があったならきっと、あそこで死んでもいいと思ったはずだ。
これが感情移入しまくりの感想なのはわかっているが、音楽と人間の究極に何かが振り切ったところに行った瞬間を描いた映画として、個人的には傑作になっている。
感想ありがとうございます
あ、たしかに 厳しい環境で限界まで努力した人ほどあの映画の良さ理解できそう。 そりゃあ増田じゃウケないわ