正社員数が3000人オーバーの企業で働いているのだが、社内に資料室や図書室がない。転職する前は、今より大きいところにいたが、そこにはあった。だが、蔵書の管理や更新がされてない状態で、かつ、閲覧室が社員の憩いの場と化していて、在籍期間中に資料を見ている人間は私以外に一人も出会わなかった。
社内に資料を管理する施設や部署がないので、定期刊行の業界誌のようなものは各部署で購入した上で死蔵ないし捨てられている状態である。価格の高い業界年鑑的なものや民間シンクタンクが作る有料レポートのようなものは購入することがない。また、関連のある学術誌のようなものや、専門の学術書のようなものを社内で購入することもない。
社内にある書籍・学術情報を当たった上で、社会と業界の分析を行ってものごとを考えるということをする人間がそもそも非常に少ない。そのようなことをする人間は社外の図書館を使うか、あるいは難しいこと自体をコンサルにやらせればいいのだ、となる。
こうなってしまうと負の連鎖で、新しい人間が入ってきても、知的に骨の折れることができる環境がないし、社内の風土もそうなっていないので、自分の頭で考える人間が育たない。また少し違う視点で考えると、いまの会社や前所属レベルのところで書籍を購入しないのであれば、書籍雑誌の販売が落ちて、情報を作って売る側もしんどいのではないかと思う。