その方は、おそらく10以上年上だ。
仕事の素晴らしい所は、私がどうであれ、相手がどうであれ、立場で仕事が一緒にできることである。
近づくのも怖さがあったが、仕事では対等な立場だ。怖さを克服しようと、カウンセリング手法を使って対話を重ねた。
結果、私はドロドロにその方が好きになってしまった。
好きになってからは行動が変わった。
一緒の仕事の日は、前日からスキンケアをして、当日は早起きしてメイクを入念にした。
仕事中、その方の意見を聞いていた時、途中から自分が恍惚として見つめていることに気づいた。だが、気付いたとしても、熱心に人の話を聞いているだけだ。思う存分見つめた。
また、確認のために話しかけ側に寄った時は、相手から緩んだ声で接せられて、無意識に体の距離が近くなっていること、でも安心していることに気づいた。体の距離と心の距離は比例するかもしれない。
いつなんときも外さないから、私が見るその方の顔はほぼ目元だけだ。
あ、と思った。
想像以上におじさんだ。
私はこのおじさんと、キスできるのだろうか?叫び出さずにセックスできるのだろうか?
何か本能的な部分で、この人と身体の関係を持つとまずいとアラートがなっている。人間、おじさんとは生殖行為を避けるように脳ができているのかもしれない。
お、セクハラか?
それは恋じゃないよね。好きになったら(少なくとも当初は)何見ても好き!ってなるから。本能が教えてくれてよかった。はい次~!