2020-11-01

許せないこと

両親を恨んでいるかもしれない。そう思いながらもう26年生きてしまった。きっと一生そのままだ。

私が20歳の時に両親は離婚した。

覚えている限り両親はずっと仲が悪くて、母はいつも父に怒りながら泣いていて、父はいつも疲れていた。私は母の怒号を聞きながらずっと泣いていて、兄はラジオを聴きながら寝ていた。共働きでそれなりの生活をさせていただいていたけれど、家族としては0点だと思う。

別々になると母から告げられた時、父はもう父の実家に帰っており別居という形になっていた。

帰る前に一緒に住んでいた頃はご飯も別々(父は母の作ったご飯を持って3階の自室に籠る)、母が帰って来れば父は怒られ、俯いて深いため息をつく。そんな姿をもう10年以上ずっと見てきた。兄は進学でさっさと家を出ていて、私には父と母をどうにかするなんてことはもう頭になかった。

テレビを見る私の背中側に座る母の暗い声に、ああ、と言った後、離婚するなら早くしてほしかった、と返した気がする。

何となく分かっていたけれど、返事をした後に湧き上がってくる父に対する悲しみとか悔しさとか申し訳なさとかよく分からないものが苦しくてぼたぼた泣いてしまった。手を差し出そうとする母に触らないでくれと言った。そう言うものが欲しいのではなかった。

もう5年近く父に会っていない。離婚した後に何度か会ったけれど、何を話したらいいかからないしなぜか泣いてしまう。父を嫌いなのか好きなのか、そもそも自分ちゃんと彼を父と思っているのかも分からない。父はもう65歳になるようだ。父方の祖父祖母も健在で、彼ひとりで介護をしているのだろうか。そんなことも知らない。父のことを、何も知らない。どう歩み寄ったらいいのかも分からない。

未だに父の丸まった小さい背中やため息、母のヒステリックな怒号がフラッシュバックして夜中飛び起きるし、誰か他人と作り上げる幸福とかがよく分からないせいか関係性を積み上げるのが非常に苦手だ。

こういう人間が出来上がってしまうから世間夫婦は、頼むから幼い子供の前で一方的喧嘩可能な限りしないでほしいなと思う。あと、離婚子供自我が目覚める前?にしてやってほしい。金銭などの問題もあるのかもしれないが、子供のためを思うならそうしてほしい。

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