2020-10-22

ケチャップ森繁久彌と書かれたオムライス着払いで届いたので

昔々あるところにお爺さんとお婆さんが暮らしていました。

ある日、お爺さんは山へ芝刈りに、お婆さんは川に洗濯に行きました。

当時は高度経済成長の真っ只中で、産業があらゆるものより優先されていた時代です。

異臭を放ち虹色に輝く川で洗濯するお婆さんは、当時の価値観から言ってもかなり異質な存在として近所では有名となっていました。

しかしそのような世間の目を気にするようなお婆さんではありません。

洗う前より汚くなった着物を両手に担いて、お婆さんは笑顔で家へと帰ります

一方その頃、海の向こうアメリカではベトナム戦争に反対する若者の間で東洋思想に対する関心が高まりつつありました。

第二次世界大戦の帰還兵は戦争から解放されると子供を作り、それがベビーブーム世代となり一大勢力を築き上げ、その彼らは親の世代が持っていない価値観東洋に求めたのです。

少し時代は遡りますが、鈴木大拙東洋の『ZEN』の精神米国に紹介した人物代表と言ってもいいでしょう。

彼は仏教における悟りを『霊性自覚』と捉えました。それは『即非論理』を体得することで得られるものです。

大拙は通常の論理分別知の論理位置づけ、対象分別する前の段階を『即非論理』とし、それをとても重要しました。

即非論理』を体得することが『霊性自覚』に繋がり、それは即ち『悟り』なのです。

まり冒頭で山に芝刈りに行ったお爺さんこそが現代阿羅漢と言えるでしょう。

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