2020-05-31

アメリカ黒人警察に殺される件数

ほんとに黒人ばかりが殺されてるのだろうかと思い、

ちょちょっと調べたら出てきた資料が興味深かった。

『第96号 米国治安警察活動』という、警察政策学会(というのがあるんですな。

こちらで読めますhttp://asss.jp/katudou/publication/siryou/9.html

資料によると、こういうことらしい。以下、すべて同資料より。

黒人は、白人に比べて2.46倍殺されやすい。

武器不所持でも、黒人白人に比べて1.65倍射殺されやすい。

拘留中、黒人白人に比べて2.0倍殺されやすい。

■表1. 年間死亡件数武器所持数(全人種

死亡態様死者数
射殺1015人
スタンガン50人
拘留41人
警察車両との衝突33
1139人

■表2. 人種割合

人種死者数比率米国人口比率100万人あたり死者数
白人578人50.7%62.1%2.92
黒人302人26.5%13.2%7.18人
ヒスパニック194人17.0%17.4%3.50人
アジア太平洋282.5%5.6%1.34人
アメリカ原住民13人1.1%1.2%3.40人
その他・不明242.1%
1139人100.0%100.0%平均3.57人

■表3. 人種別、死亡態様別の死者数(2015 年)

人種死者数射殺(内武器不所持)スタンガン拘留警察車両との衝突
白人578人521人(45人)21人14人22人
黒人302人260人(39人)19人16人 7人
ヒスパニック194人178人(21人)7人6人3人
アジア太平洋2420(2人)2人1人1人
アメリカ原住民13人10(1人)1人2人
その他・不明2826人2人
1139人1015人108人)50人41人33


■4. 興味深かった点

最近まで統計存在していなかった

司法省逮捕時死亡件数FBIの射殺件数データがあったが、警察による逮捕時死亡件数統計はなかった。

2014年のファーガソン事件マイケルブラウン射殺事件)という警察による黒人少年射殺事件が契機となり、

ようやく調査が行われるようになった。

「このような状態放置されてきた理由としては、米国警察が、政治的に「アンタッチャブル」な存在であり、

批判してはいけない風潮があるためであると指摘されている」ってのがいかにもアメリカだなーと。

黒人は「射殺以外」が多い。表3の死者数を態様別の割合で表すと、こう。

人種射殺(内武器不所持)スタンガン拘留警察車両との衝突
白人90.1%(7.8%)3.6%2.4%3.8%
黒人86.0%12.9%)6.3%5.0%2.3%

まり武器を持って警察攻撃したりとかしないでも、射殺されたり、

スタンガン(を何度も使って死亡させる例があるようだ)で攻撃されるってことだろう。

まあ全体的に、そりゃ黒人怒るわ。としか言いようがない。

  • というか、毎日3人近く警察に殺されているというのがすごいな。

  • アジア太平洋系の100万人あたり死者数が白人の半分未満だね。 白人はアジア太平洋系と比較すると不当に差別されているのだろうか。 そうではなく、白人の場合はマジョリティだから自...

    • アジア系は逆にアメリカの大学入試での不利な扱いが大きいらしいし その点が逆になってるの裏でなにか関係あるんだろうか・・・

    • アジア太平洋系は居住地域に偏りがありそうって思ったけど アジア系アメリカ人の2割が住んでるカリフォルニアは法執行官による殺人が少ないわけでもなさそう https://commons.wikimedia.org/wi...

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