2020-05-30

[]トゥキディデスの罠

従来の覇権国家に対して、別の国家が勃興してきたとき戦争が避けられないまで衝突するはずだ、という考え方のこと。小さな摩擦から最終的に避けられない衝突へと移行していくとするが、「罠」とついている通り、必ずしもそうではない。例えば、冷戦時代には少なくとも米ソの直接戦争はなかった。考え方は知っていたのだが、いつも名前を忘れてしまうので、ここに記録しておく。

トゥキディデスは、ペロポネソス戦争実証的に記述した『戦史』で知られるが、そこで彼はアテネスパルタ構造的な緊張関係について記述しており、名称はそこに由来する。

現代用法では、現代覇権国家現状維持を望み、一方の新興国はつぶされないように振舞い、国際社会ルール公然と変更しようとする中で、軍事的な争いに発展しがちなことを意味する。ルール変更というのは、過去の事例だと、トルデシリャス条約とか、グロティウスが海洋自由を唱えたこととかが、それにあたるのだろうか。

この言葉を言い出したのは米国政治学者グレアムアリソンであり、過去五百年間の覇権いである十六事例のうち、十二は戦争に発展したことを示している。ローマカルタゴなんかも、それに含められたりしないのかな。

詳細は著書の『米中戦争前夜――新旧大国を衝突させる歴史法則回避シナリオ』に載っているらしいので、時間を見つけて読んでみたい。

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