2019-12-20

まれて初めてカレーハウス11イマサに行った

東京に住んではや20年近く

何度か転職したり引越しもしたが新宿はいつでも自分の中で身近な場所だった

通勤経路になる場合も多いので夕飯を新宿で食べる事も多かった

からイマサの存在はずっと知っていた

特に理由はないけど今まで一回も入った事がなかった

昨日、なんとなく入ってみた

職場ではクリスマス年末の話で盛り上がってる人達が多く、外はずいぶん冷え込んでいて、新宿経由で帰る時にふとイマサに入ってみようと思った

なにか初めての事がしたかったんだと思う

それがたかが行ったことのないカレー屋に入るというささやかな事だとしてもそうしたいと思った

店は満員だったが客の回転も早かった

背の小さいおばちゃんがすごくかわいい声だった

客はほとんど男だった

客の話し声はほとんどないのに店内は少し騒々しい音に満ちていた

カウンター内でおばちゃん若い女性がテキパキと仕事をしている

ちょっと驚いたのはスプーンが平らだったことだ

これは食べにくいのでは?と一瞬思ったが意外にもとても食べやすかった

平たい事でカレーに新たな食感を感じるようだった

そのせいもあったのかカレーは瑞々しく美味しかった

お皿は白くて縁にパステルカラーの赤、黄、緑で模様が描かれていてカラフルだった

カラフルなお皿とおばちゃんかわいい声と男たちがカレーをパクパク食べている中に混ざって自分カレーを食べているのが急に嬉しくなった

こんな風に一緒にカレーを食べられてすごく楽しいですね、と隣の人に言いたくなったほどだ

ヤバい奴になってしまうのでもちろんそれはしないけど、それくらい幸せ気持ちになった

カレーが残りわずかになると改めて「東京にずっと住んでいて、はじめてこの店に入ったんだな」と考えてしみじみした

東京に出てきて必死仕事を覚えて何人かの人とお付き合いして別れ、なんやかんやで今はひとりぼっちでイマサでカレーを食べている

今日カレーハウス11イマサに行ってきたよと話す相手もいない

なぜ11イマサという名前なのか、イマサは人名だろうか、では11はいったい…?このままググらずに謎のままでいようと思った

そしてそんな今悪くない、そんなに悪くないなと思ってる

来年東京から離れる事になる

東京なんてもうなんにも未練がないよと思っていたけど

さようならだと思うと急にとても切ない

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