日本の1世帯あたりの実質可処分所得は97年ごろをピークに下がり続け、
昭和ごろの水準に戻っているという。
これには様々な要因があるが、政府のマクロ経済面での失策により、
就職氷河期世代が見捨てられ、最も金を稼いで消費するはずだった世代が、
低賃金の非正規労働層として固定されてしまった点は、誰も否定できない。
ところで、最近KKOや発達障害など、コミュニケーション不全を抱えた男性の孤独が社会的にクローズアップされる機会が増えた。
こうした現象は出生率の低下、孤独死の増加、一部の無敵の人による凶悪犯罪の発生など、
様々な面で社会不安の根源となっているが、これら諸問題に対して日本では論壇にしろ世間一般の認知にしろ、一個人の能力的な問題、
あるいは、せいぜいが生まれた持った障害による問題として、あくまでも個人の問題という見方が強固である。
しかし、こうした問題も、景気の悪化による可処分所得の低下が顕在化させた面が大きいのではないか。
金があろうとなかろうと発達障害は発達障害である。障害が消えて無くなるわけではない。
だが、同じ障害者でも生まれた家庭の経済状況によって受けられるサービスが異なるように、