2019-02-05

高校生のころに万引きで捕まった思い出

高校生のころ、お金はなかったが参考書がほしかったので、本屋万引きしていた。

その日もトートバッグの中に参考書を何冊か入れて、店を出ようとしたところ店員に声をかけられた。

すぐに別室に連れていかれ、警察が呼ばれた。

ガタイがよく、制服を着た警官は、怖かった。警官に引き渡され、近くの交番まで連れていかれた。

周りの好機の目が痛かった。

警官から事情聴取され、状況を話すと、警官が面倒くさそうに言った。

「なんだ、それじゃ万引きじゃねえじゃないか

どうやら、店員が声をかけたのが店から出る前だったので、万引きとして成立しないとのことだった。

すると、警官本屋電話をかけて何やら話し合い、電話を切ると「念書を書けばいいから」と私に言った。

二度と店に入りません、という念書を書けば、それで済むということだった。

ボールペンを渡され、警官パソコンで打った例文を見ながら、私は紙にそれを写していった。

このとき反省している素ぶりをしなければ、と思い、手が震えているふりをすると警官は私の腕を掴んで、「これで人生が終わるわけじゃないから!大丈夫から!」と激励した。

念書を書くと解放され、私は電車で家に帰った。母親テレビを見ていて、さっきのことは夢だったかのように、すぐさま日常に戻ってきて、不思議な気分だった。

このことは誰にも言わなかったが、唯一、その頃付き合っていた彼女に「こんなことがあって」というと、「バカじゃないの」と呆れられた。そのせいか、程なくして連絡が取れなくなった(彼女同級生じゃなくて、コンパで知り合ったOLだった)。

万引きから二ヶ月くらいが経ったときだったか、私の腕を掴んだ警官が、パトロールをしているのを一度だけ目撃した。

警官と目が合うと、お互い「あっ」となり、警官は軽く会釈をして通り過ぎていった。

私は万引きをやめ、受験勉強に打ち込んだ。なんとか慶應文学部入学することができ、キャンパスライフを送った。

今では就職し、それなりの給料をもらって、たくさんの本をAmazonで購入している。

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