2019-02-01

小説家になりたくて

小学生の頃から小説を書いてきた。

最初はシーン描写から中学生になる頃にはシーンを繋げる事が出来るようになり、物語のはじめからおわりまでを表現できるようになった。

高校に入り、物語夢想しながらも状況的に書けない日々を過ごし、大学には行かず就職した。

そうして仕事をしながら長編を書いたり、短編を書いたりしながら漠然とした不安の中で経験を積む内に、出版社から作品が発売できる事になった。

その頃には歳を重ねてすっかり中年になっていたのだけど、とにかく本は出た。

そうして思うのだ。

これは儲からない。

から本業仕事をして遅く家に戻り、風呂に入ってキーボードを叩く。

眠りにつくのは早くて一時、遅ければ三時。

そんな日々を過ごしながら小説印税収入は一冊50~100万程。

年間に7~10冊は出さないとそれだけでは生活できない。

書籍化に伴う執筆以外の各種作業精神ガリガリと削り、むしろ本を出すのが苦痛にすらなりつつある。

年間に10冊出すのは無理ではないのか。

なりたかったのはなんだ?

小説家だ。

小説家とはなんだ? 小説を書く人か、小説を書いて生活費用を賄う人か。

前者なら小学生の頃から小説家だし、後者なら本を出版した今でも小説家ではない。

デビュー作で私を打ちのめしたあの先生も、あの先生も、しばらくは小説で食えていなかったのか。

いや、昔なら食えたのだろうか。

憧れの聖地に辿り着いたらそこが砂漠廃墟しかなくて、それでも小説家になりたい欲求はいくらも薄まらない。

一体どうすれば救われるのだろうか。

小説だけを書いて生きていきたい。

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