もっともビビりもビビり、呪怨なんて目と耳塞がないとダメみたいな人だったので専ら本で怪談を読むばかりだったけれど。
図書館で週に2,3冊怖い話の本を借りてはびくびくしながら読破する、そんな日々だった。
その中で印象に残っている話が今回の話。
狐というか「お稲荷様」を主軸にした話である。あらすじはこうだ。
主人公の剣道をやっている女の子。赤胴を着て日々練習に励むものの中々上手くはならない。
そこで近所の稲荷神社に参拝して「剣道が上手くなれますように」だかお願いをする。
すると次の日くらいから、道場の卒業生らしいお姉さんが剣道教室に訪ねてきて指導をしてくれる様になった。
中でも主人公には積極的かつ優しく指導してくれて、お陰で主人公も実力がめきめき上達。
そのお姉さんに懐くようになる。
ところが、ある日を境にお姉さんの態度が少しぎこちなくなる。加えて変ないたずらも主人公の周りで起き始め。
そしてお姉さんと対戦する時、面の向こうに吊り上がった目と口がこちらを見ていることに気づく。
「礼の一つもなしかい、え? 赤胴」
そう、やはりというかお姉さんはお稲荷様(=狐?)の化身であったのだ。
実はお稲荷様には『願いが叶ったらお礼をしないといけない。』というルールがあり、主人公はそれを忘れていた。
そこに、「本当に有難いと思ってんだろうな、え? 赤胴」と。
どこからかそんな聞き覚えのある声が聞こえて話は終わり。
当時はこの怪談が結構怖くて印象に残ってたんだと思う。(いたずら描写とか変貌する様とか)
ただ、今こうして思い返すと怪談というより少年漫画にありそうなやつだと思う。
ちょっとドジな剣道小学生っ娘と、見返りがないと祟りを起こす、口の悪い稲荷神(もとい年上のお姉さん)のバディもの。
前者が中心ならスポ根ものだし、後者が中心ならほのぼのなり非日常系なり派生させられそう。
……かつてこの話に戦々恐々としていたちびっ子が。