米Cisco Systemsを知っているだろうか。スイッチとかアクセスポイントとかのネットワーク製品を手がける米国の大企業だ。
実は日本でも企業向けのシェアは50%近く、10年前から「もうCiscoの時代は終わる」と言われ続けていたがしぶとく残っている。
だが、そんなCiscoも今度こそ終わりを迎えそうだ。
発端となったのは一年前、Ciscoは製品のソフトウェアライセンスの新たな管理形態を発表した。
簡単に言うと、Ciscoの機械で動かすソフトウェアライセンスをインターネットで認証するというものだ。ちょうどWindows XPのライセンス認証のように。
何が問題になるかというと、ネットワークの世界とインターネットは極めて親和性が低いのだ。あまり想像がつかないと思うが、例えばスイッチやルーター、ファイアウォールといった機械は、インターネットに接続されていないことがままある。
例えば、データベースサーバーを接続するスイッチをセキュリティのためインターネットと直接接続しないというようなことは、割とどこでもやっている。なので、この馬鹿げたアイディアはすぐに撤回されるだろうといった予想が我々業界人の感覚だった。
最近、Ciscoは最も普及しているスイッチで、新しいライセンス形態のみをサポートするソフトウェアを発表した。
どんな影響が出るだろうか。まず、金融機関などのミッションクリティカル系がCiscoを使うのをやめる。金融は止めたときの影響が大きすぎて、わざわざインターネットと接続してライセンス認証するより他の機械を入れたほうがリスクが少ないと判断される。
これを見て、多くのデータセンターがCiscoを使うのをやめるだろう。なぜなら他のベンダの機械でミッションクリティカル系が使えるのであれば、わざわざCiscoを使う必要もないから。また、みんな高いCiscoを使うのを、本当はやめたがっている。
例えばCisco Systemsの製品が主にIAサーバーで動くとかなら、インターネット認証もやむ得ないだろう。でも、この会社はもともとハード屋だ。なぜ買ったものを動かすのに、インターネット認証が必要なんだか理解に苦しむ。