2018-01-02

私を殺す気か!

から電話がかかってきた。

内容はいつもおなじ。すりきれたカセットテープリピートしてるように同じ。

どうしてるかと思って。最近連絡ないしさ。顔ぐらいみせなさいよ。もうなんでも忘れちゃって。嫌なことばっかり。つまんない。いいことないしさ。お父さんは遊んでばかりだし。早く死にたい

そうしてくださいよ。

そう思うことを昔はとてもよくないことだと思っていた。

そう思ってしま自分を、ひどいやつだと思っていた。

けれど、壊れたオウムおもちゃみたいに言われていれば、言葉の重みは減って、うんざりするだけになる。

認知はいってるから繰り返しはしかたないんだけどさ。

でも認知入る前から同じだったね。

でもあなたに友人がひとりもいないのは、別に私のせいでも、父のせいでも、だれのせいでもないじゃない。

これまでのあなた選択のものだ。

父は別に遊び人ではなく酒も飲まないし賭け事もしない。地域活動やらつきあいに出てるだけだ。

そういう付き合いさえあなた拒否して生きてきた。

なんの特技もない、ぐちぐちとうるさい年老いた女を、優しい、大切にちやほやしてくれる関係なんて、どこからふってくるのだろう。

金もないのに。

私が給料をもらいはじめたころ。お菓子やら肉やらをプレゼントしたら、「私を殺す気か!」って叫んだ。

ふだんの生活でまったく節制せずに、揚げ物やら肉やら外食もしてたから気がつかなかったけれど

あなたが二型の糖尿になったのは、あなたが食べたせいで、誰も命令して食べさせたわけじゃない。

母の日に花を贈ろうかなとおもっても、あなた華道先生に習ってきたという花が水盤の中でくさっていったことを思うとそんな気も失せる。

掃除が好きではないあなたの手から生ゴミのようなにおいがした。

話をすると私がね、私はね。自分のことばかりしかさないおばちゃんを誰が話相手にしてくれるんだろう。

自分に都合のわるいこと、いやなことがおきると、すぐに「私を殺す気か!」って叫んだよね。

ほんとうにあのときあなたの表情はいやだった。


幸せは誰かがきっと運んでくれると信じてるね

あのひとのことを思うと、いつもこのフレーズが頭をよぎる。

人の親になろうが、老人になろうが、いつまでも

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