Boの母親は、仕事から帰るとすぐに、ゲームの世界に逃げていた。そして、ある日、Boの母親は、ゲームで知り合った人と暮らすと言って、弟だけを連れて出て行ってしまった。
Boは、わたしと再婚をして一緒に暮らしている父親のところにやってきた。
でも、実態は、かなり違う。
なぜなら、この頃のBoは、もうとっくに成人した社会人だから。。。。。
わたしがBoと初めて会ったのは、Boが小学生の時。一緒に暮らし始める10年以上昔のことだ。
Boは、わたしがボランティアで手伝っていた子ども英会話教室にきていた。
とてもおとなしくて、おだやかで、優しい子だった。が、なぜか彼の席の隣に座ろうとする子がいなかった。
しばらく観察していると、理由が分かった。すぐ隣に座っている人がいるのに、大きく手を振り回したり、突然、椅子を大きく動かして立ち上がったり、と周囲にぶつかるのだ。
Boと同じ学校から来ている女の子に、学校の様子を聞いてみると、「Boは突然、殴ってくる。にらみつける。だから学校でもいじめられている。」とのことだった。
気になって家に連絡をしてみた。
両親が離婚をして、母親と遠くに引っ越して行ったから教室はやめますとのことだった。
数年後、SNSでBoの父親を見つけた。Boの近況が気になって、連絡を取ってみた。
月1回程度、面会している。面会のたびに、一緒にゲームをして過ごしている。とてもゲームが上手で、強くて、元気だ、とのことだった。
ああ、じゃあ、英会話教室に来ていた時は、両親の離婚で精神的に不安定だったのかな、杞憂だったのかな。
そう思った。
そんなこんなで、Boの父親と交際を始めて、Boとも年に数回会うようになった。
会ってみて、すぐに、やっぱり何かがおかしいと感じた。
だけど、当時は遠慮もあって、Boの父親にははっきりと言えなかった。
その後、Boは進学や就職等の節目のたびに、いろいろとつまづき、わたしと夫がサポートをする、というようにかかわり続けた。
Boが高校生になったころには、わたしは、明らかにBoには何かの障害があると確信していた。
だけど、一緒に暮らし始めてしばらくして、夫も、Boは何かがおかしいと認めて、ようやく病院に連れていくことができた。
こうして、21歳のBoに、ようやく病名がついた。