随分前にツアーでタイに行った時、市内観光+ショッピングが組み込まれていた。
日本人の販売員が説明している「アメリカの軍隊でも推奨されている水虫の薬」と言うのが気になった。
「一度使えば治る。全ての水虫菌を消滅させるので、再発しない」みたいな事を言っていた。
日本人観光客相手にしている日本人の販売員だから、売込みが上手いのは当然だったのだろう。
俺の水虫は大したものではなかったが(皮がぽつぽつ剥ける程度)、
夏になると嫌な思いをするので試してみようかと思った。
ただ、一回使用すれば完治するというのは胡散臭かったが。
200ccも有っただろうか、透明な液体をビニール袋に入れて、片足ずつ、
数十秒だか数分だか浸けておけと言うものだった。
最初に左足を入れてみた。数秒後、焼けるような激しい痛みを感じつつも我慢した。
片足だけじゃしょうがないから、右足もやった。やはり焼けるような激しい痛み。
両足の裏はびりびりしていたが、これで水虫の薬を付ける手間から解放されるなら、いいかな位に思っていた。
足の裏の皮が収縮したような感じで、少しぱりぱりするような、変な感じだった。
その夜は、足の裏にびりびりする嫌なものを感じつつ、寝床に就いた。
翌朝、大変な事になっていた。
足の裏がパリッパリで、手で触ってみると、皮膚の表面はプラスチックのようにツルッツルになっていた。
歩くのに支障が有るほど、足の裏の表面は弾力が無い。足の裏が曲がらないのだ。
靴下を履いて歩こうとすると、靴下の中で足が滑るため、上手く歩けない。
えー、どーしたらいーのこれ。
でもどうしようもない、なってしまったものは直ぐには元に戻らないのは明白だ。
数日間後、皮は剥がれて新しい皮になるまで耐えるしかない。
手汗が凄い。夥しい量の手汗が出る。普段から手汗は掻く方だが、半端な量ではない。
何故こんな事になったんだろう?と考え始めて暫く後、解った。
いつも掻く足裏の汗が全く無い。靴下はドライだし、足裏はツルッツル。
足裏の皮膚が焼かれているような状況で、汗腺が全て閉ざされていて、
体温調整か何かの為に足裏から出るべき汗が出ず、掌から出始めたのだと想定される。
業務上、手汗は厳禁なのだが、どうしようもないほど夥しい量の汗が出てくる。
本当に参った。
綺麗にペリッと剥がせるかと思ったが、斑になって剥けてこ汚かった。
焼かれた皮膚がすっかり落ちるまでには、十日以上掛かったと思う。
で、完治したのか?
暫くの間は、皮膚が白く丸くなって、風呂上がりにふやけて剥けるような、
以前の水虫の症状は無かったと思う。
でも、2、3年後、いやもっと経ってからだろうか、ぽつっと出てきた。
痒くは無いのだが、風呂上がりにふやけて剥けてしまうあの症状だ。
もうタイに行ってもあの薬を買う事は無いなー。
それって、強アルカリ性の薬品で皮膚表面を腐食させただけなんじゃない?
強アルカリ性かどうか分からないけど、皮膚が薬品で焼けたような状態だよね。 強アルカリ性だと、黒ずんだりするかもしれないけど、皮膚の色の変化は無かった。 二日くらいかな、足...