2017-07-31

別に際し以下独白

好きだ、とも愛している、とも一度たりとして言われたことはなかったし、言ったこともなかったけれど、自分には昨日まで結婚しようとしていた人間がいた。

出会いは両手で数えきれないほど前で、いつだってふらっと連絡が来て海を眺めながら酒をのんだり、今日は気分じゃないからって理由で突然約束を断られたり断ったりした。

こっちも急に予定がなくなったときに呼び出してみたりはしたけれど、いつだって上から目線の君に折れるのは自分で、ほとんどこっちから誘ってうまくいった試しなんてなくて、それでもそんな君に「付き合ってあげている」自分自身が大好きだった自分は、どんどん傷ついてすり減って行く心に気づけないまま、消耗していった。

お互いの恋愛事情は、ある程度までは知っていた。お互い異性と旅行に行ったり、デートしたりってことは知っていたし、君がよくわからない界隈に顔突っ込んでは荒らしてるのも第三者から聞いてたけれど、それに対して何か言える立場じゃないのはわかってたから、あくまで友人として、1人に決めた方がいいなんてなんの身にもならないアドバイスなんかしたりして、今考え直すと全部術中にハマっていたんだなって思うけれど、当時の自分に今の結果を伝えたところで、未来は何も変わらないんだろうってことはだれよりも自身認識している。

好きだ、とは言わなかったけれど、結婚指輪の話も、新婚旅行の話もした。

愛してる、とは言わなかったけれど、新居も子どもも老後の話もした。

やめ時はいくらでもあった。もうやめとけ、脈なしだって友人は口を揃えて言っていたし、せめて君の親友に、「もう一生逃げられないよ、あれは呪いだ。」って言われたあの夜に覚悟を決めればよかった。

お互いあまりにいろんな部分が似通い過ぎていて、友人というよりかは、いつしか映し鏡みたいだった。趣味も一緒だし、愚痴を言えば共感しあえるし、行きたいところも、考えかたも全部溶け合って、それはどんどんマイナスの方向へ進んでいった。それすらも騙されていたんだって、騙されてる人間は本当に気がつかないもんなんだな。

好きだったし、愛してはいたけれど。

いつかまた、対等になった君と1からはじめられるように、吐き出しておこうと思う。

ありがとう

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