飽きっぽい皆さんのことだから3月末に有名になった財団法人宿泊施設活性化機構のことなんてもう忘れてると思うんですけど、有名になる前から存在していたと思われ、有名になってからも掲載され続けている採用情報が、ちょっとまずいんじゃないかな?という話です。以下、ご担当者様にご確認いただければ幸いです。
http://jalf.or.jp/recruit/recruit_detail/
貴法人の勤務時間は、8時間のようです。東京都の最低賃金932円×8時間×20営業日(4月)=149,120円ですから、正社員の総給与額が140,000円〜というのは、最低賃金を下回った設定になっている可能性があります。
このような疑問を抱きづらい表記に変更されることをオススメします。
貴法人には「正社員」「契約社員」「アルバイト」という3つの雇用形態があるようですが、いずれもフルタイム雇用を想定しているように推測されます。その前提で、なぜかアルバイトの総給与額が正社員を上回るという、一見不思議な設定をされているように見えます。社保等への加入も含めて整理するとこんな感じ。
最低給与 | 最高給与 | 健康保険 | 共済年金 | 雇用保険 | 労働保険 | |
---|---|---|---|---|---|---|
正社員 | 140,000 | 350,000 | ○ | ○ | ○ | ○ |
契約社員 | 150,000 | 380,000 | × | × | ○ | ○ |
アルバイト | 180,000 | 400,000 | × | × | × | × |
仮に、どの雇用形態もフルタイム勤務なのだとしたら、健保も年金も加入義務があるはずです。「雇用形態が契約社員だから」だとか「時給制だから」という立てつけで回避できる類のものでもありません。すなわち、上表の「×」部分は雇用主としての義務を果たしていない可能性があります。
ちなみに、正社員の上限給与350,000円に、1.15を掛けると、アルバイトの上限給与400,000円になります。この1.15というのは、「社会保険料の企業負担分」を概算するのに使われる数字です。つまり、貴法人は、想定される最高給与額を400,000円とまず置き、そこから「社会保険料の企業負担分」を差し引いた額を「正社員の給与」として設定している可能性があります。これは、残念ながら極めて誠実さに欠ける印象を持たざるを得ません。
このような疑問を抱きづらい表記に変更されることをオススメします。
以上、よろしくお願いいたします。