2016-12-06

e-sports未来

10年代以降盛り上がった、e-sportsプロリーグ設立の動きは、その後驚くほどあっさり廃れた。

運営が怪しかったとか、プレイヤーの扱いが悲惨だったとか、いろいろな問題があったが、

何より致命的だったのは、結局ゲームだけできても、その世界以外では全くクールではなかったことだ。

代わって始まったのが、企業対抗形式アマチュア戦だった。

名のある企業社員が夜毎集まり、己のプライド会社名前を背負って戦う。

企業の側も、こうした動きを止めることはせず、むしろ歓迎した。

もちろん、会社宣伝になるというのもあるが、それ以上の意味があったからだ。

景気が上向かず、給料も上がらない中、学生企業に期待するのは、もはや余暇の多さのみ。

普通社員バカバカしいことをやり、活躍する余裕があることこそ、紛れもなくホワイト企業の証であり、

e-sportsはそれをアピールする絶好の場とされたのである

物語は、主人公がある業界中堅企業入社するところから始まる。

彼もまた学生時代ゲームに打ち込み、仕事はそこそこに、余暇の充実を求めて入社した一人である

ところが、配属された部署にあったのはゲーミングPCで、一日中ゲームばかりやらされ、なかなか帰れない。

うろたえる主人公に向かって上司がささやく。今はこうでもしないと勝てない時代なんだ、と。

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