数ヶ月前、別部署の先輩に別部署の飲み会に誘われて行った時のこと。その飲み会でその時初めて会った女の先輩に聞かれた質問だ。
「特にいないですね」
俺は素直に答えた。実際特に好きな芸能人もいないしそもそもテレビを見ない。見ても名前が名前を覚えられない。(ドラマとかの役名で覚えてしまう)
「有名人とかでもいいよ」
何が違うんだと思いつつも、多分スポーツの分野とかも含めていいんだなと思いながら、頭を捻っていると隣で聞いていた同僚Aが先輩に逆に質問をした。
「先輩は誰が好きなんすか?」
「C.ロナウド。A君は?」
即答だった。さっきまとめ記事かなんかでこの名前を見かけたから、このことを思い出したんだけど。
「そうですね。ボクは…」
Aはアイドルやモデルなど何人か女性の名前を挙げた。聞いたことがあるようなないような…佐々木希くらいしか覚えてない。
「なるほどね。で、君は?」
先輩はもう一度俺に振る。俺からは何も出ないよ。と半ば諦めていたが一応唸りながらビールに手を伸ばした。催促するように先輩は続ける。
え。そんな基準でいいのか。てっきりその人のファンで、その人がでるドラマとかバラエティ番組を逐一チェックするようなレベルのことかと思ってた。
「まーそれで言えばさっきAも上げてましたけど佐々木希とかかわいいですよね。あとミュゼの広告の子とか。名前しらないけど。」
「トリンドルのこと?じゃあ君はかわいい系よりキレイ系の方が好きなんだね。元カノさんとかもそういうタイプ?」
思い返してみると確かに(例外がないものとして)女性を二分割したらそっち側に入る人が多かったかも知れない。
「うーん。(二つに分けた場合は)確かにそうかも知れないですね。」
続けて先輩はAにも分析をする。何を言ってたかはあまり覚えてない。確かかわいい系に寄ってるとか言われてた気がする。二人を分析し終えた先輩は一呼吸置いて言った。
「二人とも理想高すぎ。だから彼女できないんだよ。現実をちゃんとみて!」
そこからは何か変なモードに入った先輩がひたすら話してたが割りと適当に相槌を打ちながら聞き流していた。
その時はお酒が入ってた事もあって頭が働いてなかったけど、今思い返すとこの質問ってずるいなと思った。
『かわいいと思う”有名人”』を上げさせて「理想が高い」という結論を出す。そうなるに決まっているじゃないか。そもそも好きな芸能人とかいないと言ってる時点で俺の方が現実的だろ。というか「芸能人誰が好き?」と聞かれて上げた人が付き合いたい人ってわけじゃないだろ。
でもあの時なぜコレを反論できなかったんだろう。てか先輩もC.ロナウド好きって言ってたじゃないか。それはどうなんだ。
あー俺はいつか騙されて高い壷とか買わされるんだろうな。それからその先輩には時々飲みに誘われる。壷を買わされないように気をつけようと思う。
詐欺とかのテクニックでありそうな感じする。 何とか錯誤的な。
パワハラのセクハラだな