いつからだかわからないけど、MVに歌詞をいれる手法が一般化している
歌詞を入れると言ってもカラオケみたくただ文字をそのまま載せるのではなく、エフェクトをかけながら演出のように載せてくるやつのこと
歌全体に使う場合もあれば、サビになると突然あらわれる場合もある
演出として言葉を登場させたいのならわかるのだけど、そうではなく歌詞を押し付けられるように出てくるととたんに興ざめしてしまう
MVというものが一般化したころはそんなつまらない手法はほとんど見られなかった
自分の楽曲の世界観を、音楽と映像だけでどうやって表現するかが全てだった
はじめてこの手法に気付いて嫌悪感を覚えたのは、じつはアーティストのMVではなくビートマニアIIDXで使われているムービーだった
とあるクリエーターが作るムービーには、必ずといっていいほど歌詞が、しかも様々な手法を駆使しながら画面の中を踊っていた
アーティストの映像と違い、そうでもしなくては歌詞と出会うきかっけがないのだろう
しかし、それをさも格好良さそうに織り交ぜている姿はあまりに寒々しかった
致し方ないことだろうとは思いながら、それをみていると言いようのない恥ずかしさが湧き上がってきた
それからしばらくして、今度は個人クリエーターたちの自作映像などにその手法が見られるようになった
これも先ほどの案件と同様、ユーザーが歌詞と出会う貴重なきっかけなのだから仕方がない
(とはいっても、過剰に凝った演出で文字が踊るのはやはり恥ずかしく感じるが)
ところが、最近ではメジャーアーティストであっても、そうした手段が当たり前になってきている
おそらくはそういうことが当然の世代がクリエーター側に参加するようになったことが一番の要因と思われるがこれはあまりにも興ざめだ
歌詞を読ませたいのであれば、歌詞は歌詞らしく可読性の高い文字で表示するべきだ
意味を伝えたいのであれば、言葉なんて安直なものに頼らずビジュアルと音で表現すべきだ
あれが本格的に流行ったのはたぶんボカロMVからじゃないかな ただでさえボカロの声は聞き取りづらいから歌詞演出で誤魔化しているんだろう
その曲とやらもボカロ曲なのではないだろうか