かつて私自身も音楽をやっていたので、ああここは巧いなとか、パーカッションが不安定だとかそういう目線で見ていたのだが、ちょっと驚いたことがあった。
演奏中に楽器を振り回したり、踊ったりするパフォーマンスがやたら増えている。
昔はなかったのかといえばそんなことはないが、最近はどこもかしこもやっている。
もう、馬鹿じゃないのというくらい。
まあ、こういうのは演奏が上手く出来ていないところがよく頑張っていたりするんだが。
どこかの有名校だかオケだかマーチングバンドの真似をしているのだろうけれど、「演奏」という本質を見失ってはいけない。
楽器は正しいポジションで演奏してこそ適切な音が出るのであって、体勢が変われば当然無理が出てくるものだ
現にその演奏ではピッチが変わったりリズムが不安定になっていた。
若い頃から演奏において変な癖をつける可能性のある行為をさせるのは決して良いことではない。
ある程度演奏ができて、責任も取れる大人はまだいいが、中学生や高校生からこういうことをやらせるのはやめた方がいい。
もし大真面目に当人たちが考えてやっているのなら、止めさせるのも周りの指導者の役割だ。
演出の観点からみても、楽しさの押し売りみたいなところがあって、結構観客は醒めていたりするものだ。
当人たちは楽しんでいるのかと思ってYouTubeで幾つかの「有名校」と言われるところの演奏を見てみた。
演奏後も含めて「楽しんだ」という顔をしている子はほとんどいないようだ。
結局、誰も得をしていないんじゃないか。
もう一つ、ステージから客席に下りてきて演奏するのもやめたらよろしい。
一体感がなんだとか言うのだろうが、一体感はステージ上からでも作れる。なぜ引き込まないで観客に押し付けたり迎合しようとするのか。