ある日、ホモゾンビは世界中に出現した。どこが最初の出現地だったのかは誰にも分からない。それぐらい突然の出来事だった。ホモゾンビは日を追うごとに、ウィルスが増殖するかのごとく増えていった。一週間も経つ頃には世界中がホモゾンビであふれ、男の数はソシャゲ廃人の口座残高のごとく減っていった。
ホモゾンビは男を見つけるとイチモツをおっ立てて襲いかかり、薄汚い白濁液を射出しながら、男の陰部をムシャムシャと食べた。ホモゾンビは竿と袋しか興味がなく、他の部分には一切口をつけなかった。
食われた男は二十四時間以内にカマゾンビになった。カマゾンビはやたらとクネクネカクカクした動きで男に襲いかかった。ホモゾンビと違って口で食うことはなかった。カマゾンビは尻穴で男の陰部を飲み込んで食らった。そして、尻の中でよく分からない現象が起こって、カマゾンビは妊娠する。3日後に大きくなったカマゾンビの腹をかっさばいて、ホモゾンビが生まれるのである。
そういうプロセスを辿って、世界中の男たちはカマゾンビ化してホモゾンビを産み落とし消えていった。
ホモゾンビは女には手を出さなかった。一切無視した。女がホモゾンビを殺しても反撃することはなかった。女がホモゾンビを駆逐すれば世界に平和は訪れる。生き残っていた男たちは女に戦うことを求めたが、女は動かなかった。戦わなかった。男を見捨てた。
男が絶滅するのを女達は娯楽のように眺めていた。そして、最後の男が消えた。
この時点で人類は子供を作ることができなくなる絶滅の道をたどると思われた。しかし、有能な科学者たちが女だけで子供を作る手段をすでに確立していた。男は用済みだったのである。
粗暴な男たちは消え失せ、戦争も紛争も消え、犯罪者も性犯罪者も激減し、急激な人口減のおかげで食糧問題も環境問題も改善され、地球は女達の楽園になった。
人類は男を捨て去ることで、ひとつ上のステージにたどり着いたのである。
女達が人類の春を謳歌している中、ホモゾンビはまだ地球の片隅でウゴウゴ蠢いていた。彼らは人間が住めないような場所へまとめて捨てられていた。ホモゾンビはゾンビなので死ななかったが、ホモなのでホモセックスに明け暮れていた。