妻は2人目の不妊治療を始めて数ヶ月後、俺の退職を要求してきた。
俺は出張で不在がち。妻は長男の育児をしながら仕事と不妊治療を続けていたが、疲弊しきっていた。
一回着床までしたが、数週間で流れていた。
妻は1人目を身ごもったとき、激しいつわりに見舞われていた。ほぼ寝たきりで食べては吐くの繰り返しだった。
仮に妊娠しても、俺が家にいて家事をしなければ生活が破綻することは確実だった。
会社には子育てのため退社することを伝えた。上司は何とかならないのかと繰り返すだけだった。
妻の不妊治療が成功して子どもができた場合、つわりがひどいので会社に行けなくなるからとは言えなかった。
不妊治療を会社に話すのも抵抗があるし、妻も高齢で体外受精の成功率は10%しかない。
出産はある程度予定できるが、つわりは妊娠後すぐに発生する。病気ではないので診断書も出ない。
子どもを複数持つことは核家族の共働き世帯にとってとてもハードルが高い。
幸い、うちは10年ぐらい共働きを続けていたので、ある程度貯蓄があり、この理不尽な賭けに踏み切れた。
退職後すぐに妻は身ごもり、娘が生まれた、俺はその後出張残業のない仕事を就いて選択は正解だったが、危うくSPAの下流生活を地で行くところだった。
これがリアルか…。 結婚する気もないが、よしんばできたとして子を望むなど恐れ多いことだ。
子供と妻の笑顔こそが人生至上の喜びであるのだから、そのためなら仕事など喜んで差し出すべきである。
そんな境地に至りたいよ。
妻も働いていたなら長男は当然保育園に入ってただろうし、 つわりも重度なら妊娠悪阻という立派な「病気」扱いで入院適応だし、妻を入院させてりゃ増田は日中は何もしなくていいの...