今年はエンブレムの件が燃えに燃えてすっかりデザイン業界が信頼を失ってしまった一年だったけど、そんな流れの中で伊勢志摩サミットのロゴが出てきて「プロのものよりよい」とコメントする人も相当数いて、年末なのに惨憺たる気持ちになった。
日本人はなぜここまでデザインに興味がなく、軽視や蔑視を続けているんだろう。自分なりに考えてみたんだけど、その原因の一つに「日本人の殆どはデザインについての教育を受けていない」というのがあるんじゃないかと思った。自分は今30歳だけど、小学、中学、高校とまともに「デザイン」や「デザイナー」について学んだ記憶が無い。美術の先生は絵画科や彫刻科出身でデザインについて積極的に語るようなことは少なかったし、そもそも美術の時間の殆どが実技に割り当てられていて、デザインやデザイナーについての講義を受けた記憶が殆ど無い。同様に建築についても殆ど教えてもらえなかったように思う。(うちは進学校だったので余計そういう傾向が強かったのかもしれないが、使っていた美術の教科書に現代のデザインや建築についての記載が少なかったので他の学校も同じようなものなのかなと思う。)
そんな状況下では「デザインとは何か」なんてことは殆どの人には無関係な話になるし、ましてや「デザインについて理解しよう」「いいデザインとは何かを考えよう」なんて土台無理な話だと思う。日本人はデザインを軽視して当たり前なのかもしれない。プロになるようなデザイナーは、学校の教育があろうがなかろうがデザインに強い興味を持っていたような人たちなわけで、そりゃ「デザイナー」と「非デザイナー」のギャップは埋められないよなとも思った。
でも、いいデザインは社会をよくすることが出来ると自分はまだ信じている。いいデザインに囲まれた暮らしは心地よいと思う。だから多くの人にもっとデザインについて興味を持ってもらい、理解をしてもらって、社会全体が「よりよいデザインを選んでいこう」という空気になってほしいと思っている。無邪気で子供っぽい意見だろうけど、本当にそう思っている。
デザイン教育が必要? いろーんな分野の専門家が、教育が必要って言うよ。 限られた時間の中で本当に必要?どの年代にどう入れ込むの?
日本人にはそんな高尚なデザインは人種的に理解できないよ