2015-12-31

デザイン教育必要だと思う

今年はエンブレムの件が燃え燃えてすっかりデザイン業界が信頼を失ってしまった一年だったけど、そんな流れの中で伊勢志摩サミットロゴが出てきて「プロのものよりよい」とコメントする人も相当数いて、年末なのに惨憺たる気持ちになった。

日本人はなぜここまでデザインに興味がなく、軽視や蔑視を続けているんだろう。自分なりに考えてみたんだけど、その原因の一つに「日本人殆どデザインについての教育を受けていない」というのがあるんじゃないかと思った。自分は今30歳だけど、小学中学高校とまともに「デザイン」や「デザイナー」について学んだ記憶が無い。美術先生絵画科や彫刻出身デザインについて積極的に語るようなことは少なかったし、そもそも美術時間殆どが実技に割り当てられていて、デザインデザイナーについての講義を受けた記憶殆ど無い。同様に建築についても殆ど教えてもらえなかったように思う。(うちは進学校だったので余計そういう傾向が強かったのかもしれないが、使っていた美術教科書現代デザイン建築についての記載が少なかったので他の学校も同じようなものなのかなと思う。)

そんな状況下では「デザインとは何か」なんてことは殆どの人には無関係な話になるし、ましてや「デザインについて理解しよう」「いいデザインとは何かを考えよう」なんて土台無理な話だと思う。日本人デザインを軽視して当たり前なのかもしれない。プロになるようなデザイナーは、学校教育があろうがなかろうがデザインに強い興味を持っていたような人たちなわけで、そりゃ「デザイナー」と「非デザイナー」のギャップは埋められないよなとも思った。

でも、いいデザイン社会をよくすることが出来ると自分はまだ信じている。いいデザインに囲まれ暮らしは心地よいと思う。だから多くの人にもっとデザインについて興味を持ってもらい、理解をしてもらって、社会全体が「よりよいデザインを選んでいこう」という空気になってほしいと思っている。無邪気で子供っぽい意見だろうけど、本当にそう思っている。

からデザイン業界は、今回の反省とともに将来への種まきとして「デザイン教育」にも力を入れていくべきではないかと思う。

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