ボツ。
結局一ノ瀬はじめはなぜ今まで動かなかったの?神まどかが物理的に超越者になってしまったのであるとすると、この作品の一ノ瀬はじめは、物理的には同じ地平にいながら、一人だけ他の人とレイヤーが違ってしまっているような印象を与える。「争いは同じレベルの相手でしか発生しない」。これは低いレベル同士で争っているもの同士をや揶揄するときに多用される言葉だが、はじめちゃんの場合は逆に視点が高すぎる印象を与える。彼女は争いには参加しない。自分の答えを言わないし、できるだけ他の人に考えさせて答えを出させようとする。まるでディベートにおける進行係、あるいは裁判において弁護士と検察を見守る裁判官、もっといえばゲームの審判のような役割。爾乃美家累と鈴木理詰夢の意見の対立は(理詰なのに夢という文字を含む名前がすごく好き)ははじめちゃんからするとまさにそういうものだったと思う。 どちらかが一方的に正しいわけではない。そもそも全面的に間違ってる意見を論破するだけの話は議論とは言わない。だから自分では答えを言わずに見守る。興味深いのは、別に物語の設定としてそういう役割が決まっているわけではないはずなのに、二期のはじめちゃんは最初からこういう役割を明確に自覚して振舞っているということ。一期ではそれなりに能動的に動いていた。少なくともまだプレイヤーだった。二期は完全に審判役であり、ディベートの進行に深刻なエラーが起きないかぎりは、明らかにプレイヤーとは一線を画してた立ち位置を維持している。誰か他にプレイヤーがいるのであれば、はじめは動かない。このあたりなんでなんでしょうね。自分の内側にある「ベルク・カッツェ」という存在を抑えこむだけで精一杯とかそういう話だけではないだろう。下手に己の意見を述べると、ベルク・カッツェに逆をとられる、とかそういう話はまだ出てきていない。(このあたりは13話において、はじめがベルク・カッツェを取り込んだ時のやり取りをもう一回見直さないとなー)ではなぜ今、このタイミングで動き始めたのか?「これは今までで一番強い敵っす。倒すことは出来ないかもしれないっすけど気づかせることはできるっす」という言葉があるが