この表記が使われ始めたのは、9年くらい前だと思うが、それは私の周囲だけで全国的にはもっと早くから使われている地域もあったのかもしれない。簡単に説明しておくと、「(笑)」というのは主に電子メールやチャットにおいて、笑いながら話していることを表現している。その用途は様々で、今や全国的に多くの年齢層の人が使っている表現だと思われる。そして特に近年では、同じような意味合いとして「w」が使われることも多い。こちらは主にネットスラングから発生した言葉だが、この表現も若者を中心に普及している。
ここで、少し外国に目を向けてみると、アメリカなどでも(笑)やwに似た表現が存在する。それは「LOL」というもので「laugh out loudly」や「laughing out loud」、「lots of laugh」の頭文字である。しかし、アメリカで使われるLOLは、日本の(笑)とは違い、主に掲示板やコメント欄で使われることが多いそうだ。(笑)は掲示板やコメント欄で用いられることはもちろんだが、むしろ、日常会話にこの表現が定着して使われているのがおもしろいところである。どうして(笑)は多くの日本人が使うようになったのか、それは日本特有の文化的側面によるものだと私は考える。
日本は、よく「恥の文化」と言われるように、シャイところがある。それゆえに「暗黙の了解」や「阿吽の呼吸」といった外国からは理解されにくい言葉が存在するのだろう。そういった外国から理解されにくい部分の1つとして、「愛想笑い」がある。もちろん外国にも「愛想笑い」自体は存在するのだが、日本人は特にこれを使う頻度が多い。外人と話している時に、愛想笑いを多用していると「何がそんなにおかしいの。」と言われてしまうことも多いようである。これはシャイな日本人が、人と対面する際に沈黙や硬い空気から気をそらすために身につけた表現なのだろう。
近年では電子メールやチャット、掲示板といったIT技術の発達により、以前より文字中心のやりとりが多くなったのは言うまでもない。そういった文字中心のやり取りにおける「(笑)」は一種の愛想笑いなのだろう。(笑)は、愛想笑いという文化を身に着けていた日本人には、ものものしい文字のやり取りから逃げる最善の策である。こうした理由から、日本にはいつからか(笑)が定着し、wなどに形を変えながら、これからも日本人の文字のやり取りを飾っていくのだろう。
「(笑)」という表現は、古く第二次世界大戦前から用いられる。
中学生かな?