これ判例な。
Xは、万が一の火災で自己所有物件が消失した場合の損害に備え、というより世人一般がそうしているので自分も、という理由で、外国の保険会社Yとの間で自己所有の建築物について火災保険契約をしたが、やはり森林火災の延焼で自分の家が燃えて無くなったので、Yと火災保険契約をしていたことを思い出して、Yに火災保険金を請求した。Yは、契約したときに契約の具に供した火災保険普通約款に、森林火災による延焼の場合は責任を負わないという条項を入れてあったので、火災保険金を払う義務はないと主張した。原審は、日本の商法には、火災保険普通約款を上回る合理的な規定であるところの商法665条すなわち火災によって生じた損害は原因如何に関わらず保険者が負担せよという規定があり、これは任意規定なので、当事者に別段の合意があったときはその合意に従い、この規定を排除できるが、本件の場合、XはYの普通保険約款をよく読まずに契約しており、XとYの間に、森林火災の場合についてはYの責任を免除するという合意は実際にはなかったものであるから、約款の規定を排除し、商法665条を適用して、Xに火災保険金請求権を認めるとした。これに対して大審院は、日本の保険契約者というのは、保険会社が内外どこにあるに関わらず、その会社が提供する普通保険約款の内容について一々査読して全部理解した上で契約するというより、その約款は概して正しいものだと信頼して契約するものなので、本件普通約款に森林火災の場合には会社は責任を負わないという条項が盛られてあった場合、契約者はそれに合意していたとみるのが相当であり、すなわち商法665条の規定を排除する合意があったと推断すべきであるから、会社の提供する普通約款を概して信頼し、契約書面に任意調印して契約し、商法の任意規定を用いるところにまで注意を払い、契約の際に、普通約款についてよく読んで、自分で特別に約款を定めるなどの努力をせず、漫然保険会社Yの普通約款を信頼して契約をしたXについては、森林火災の場合にYが責任を負わないことについてまでも合意していたといわざるを得ず、商法665条を適用すべきではなく、そこまでの努力をしていなかったXには火災保険金請求権はないとした。
つまり、お前は契約内容をそれでいいとしてOKのサインを押したんだろ、だったら免責条項もそれでいいと思ったんだろ。だったらその約款が有効で、民法の規定で約款を排除しないよ=努力しない馬鹿は死ねよ