震災当日、俺は東京で新しい仕事を始めて2日目が終わった休みの日だった。
最低でも今月と来月までは稼がないと支払いが、といっぱいいっぱいだった。
リアルタイムの映像はまるで現実ではなく映画のようだったと記憶している。
大切な人が流され、大切な家が流され、
片や俺は孤独だった。
俺には大切な人はいなかった。
安否を心配する友人もいなかった。
震災報道は、ただ単に世で起こったニュースのひとつでしかなかった。
お客さんには怒鳴られながら、
自分が情けなくて涙が出るから。そのことにさらに申し訳なくなるから。
心を閉じないとリボ払いが無くならない。
その変わらなさに今気づいて、
ショックと情けなさでまた心を閉じている自分がいる。
被災者の方、本当にごめんなさい。