会社辞めようと思った。
今の上司とどうも細かいところで反りが合わないことが多く、「ちくしょう、こいつ気が利かねぇな」と多々思っていたんだけど、「他人を『気が利かない』と思うことは、自分のエゴを押し付ける行為だな」という反省もあって、これまでは、まあなんとかやってこれた。
が、先日39度の熱を出して「すいません。インフルエンザではないようですが、39度の熱が出たので、休ませてください」と会社に休みの申請を入れた。
そしたら、その上司が「インフルエンザじゃないようでしたら、今日は1日休んで、明日出てきてください」と返してきた。
「あ、無理だ」と思った。
39度つったろ。1日の休みで熱は下げられるかもしれないが、体力がごりごりご低下してるんだ。翌日すぐの立ち仕事は、無理だっつーの。「インフルエンザじゃない」とか、都合のいいところだけ抜き出してるんじゃねえよ。
それとも何か、「発熱は自己管理の不備が原因だから、自己責任でもって、奇跡の回復してみせろ」とか言いたいのか。前半は受け入れるけれど、後半は自己管理の不備となんの関係もないだろ。責任とるのはきちんと養生したあとじゃあ、遅いですかい。
で、上司に対する『気の利かない人』という評が固定化されてしまって、もうこの職場で働くのは限界だと悟った。
母親に小さい頃からずっとおまえは「気が利かない」と言われ続けてきたので、自分自身でも自分をそういうヤツだと信じていた。だから、思春期は「私は『気が利かない』から、他人に迷惑をかける」というコンプレックスでいっぱいだった。
しかし、世間に揉まれているうちに「自分より『気が利かない人』も、結構いる」ことが分かってしまった。
同時に、母親の科白は「どうしておまえは私の思うように動いてくれないんだ」という身勝手な本音を、世間を味方に付けるため、耳障りのいい言い回しに改変してるだけだという事実もなんとなく理解して、それからちょっと生きやすくなった。
だから、私は本当は他人を『気が利かない』なんて思いたくないんだ。
でも、思ってしまった。解消するつもりもない。
……やっぱり、いるところにはいるんだなあ。
『気が利く人』になりたいです。