この国で、原因はいろいろあると思うんだけど、ぱっと思いつく大きな所は3つ。
(1)少子高齢化が進む中、頭数では絶対に高齢者に勝てない若年層。
全世代の投票率が100%になっても、高齢者に選挙で負けてしまう。
だから、「未来の事を決める・決めたいのに、(その頃には死んでいる)高齢者の意見しか通らない政治」になってしまう。
これは構造的な問題だから、誰が知恵を絞っても、なかなか解決しないだろう。
高齢者にも不満と欲があり、生きている以上は、「よい暮らし」をしたいものだ。
(2)これは(1)の結果でもある。限られた社会資源を高齢者に回せば、出産と育児に費やせる資源は減る。
にしても、パリやロンドンみたいに、出生率が2.0違い大都市もあるわけで、ここは政治家がいかに本気になれるかにかかっていると思う。
(3)かつては、お見合いとか、近所の世話焼きな年寄りが「いい話」を持ってきたりなどして、若い男女をくっつけてしまう社会制度が生きていたが、今は、男女が出会って、お互いに好きになって、という高いハードルを経なければ結婚に至らない。
結婚したら必ず子供が出来るわけでもないが、まず結婚がなかなか出来ない。
恋愛というのは一種の才能で、できる人は何もしなくてもできるけれども、できない人は相当努力してもなかなかできない。
これは、走るのが速いとか、目の色が青いみたいなもので、修練によってある程度まではいけるけれども、生来持って生まれた才能の差はいかんともし難い。
そんな個人的才能に、次世代を産み育てるという、社会の成立基盤を委ねてしまったのが今の日本なのだ。
お見合いやムラ社会が崩れ、核家族化が進んだ昭和中期に、出産・育児にまつわる社会計画を怠ったのだとも言える。
加えて昭和後期には、TVなどのマスコミが恋愛至上主義を席巻させた。