■自殺を特別視するなって？

無理だよそりゃ。

だって自殺ってすごく特別な死に方だもの。

病死や事故死と自殺とを隔てる決定的な相違があるでしょう。

自殺というのは自分の生命を賭けて自分の生きる世界を積極的に否定する行為なんだよ。

ぶっちゃけた話、犯罪ですよ。犯人と被害者が一致している殺人。

病死や事故死を犯罪被害による死と同一視はできないでしょう。「死」であるという以外に共通点ないじゃん。

うつ病ほか精神疾患患者の自殺は病死と扱うべき、っていう言説をときどき見かけるけれども、これも病死と自殺とに決定的な差異があるというのを前提としてるわけだし。

自殺は、自殺でない死に方とは、明らかに違うよ。

自殺の特別なところは、病死や事故死とも同一視できないけれども、かといって他殺として扱うわけにもいかないというところ。

だって被害者は犯人だものね。他殺の最大の悪は「他人を殺す」ところで、それゆえに他殺は原則全否定される。

被害者に乞われて殺した介護疲れ殺人のようなケースだって短いけど懲役は受けるし前科もつく。

でも自殺は殺人だけど他人は殺していない。自分で自分の命を好きにして何が悪い、っていう開き直りも成立してしまう。

本当に最悪な犯罪だと思う。

成功しても最悪だし失敗しても最悪だ。再犯率のことを考えると回りは振り回されるし。

本当に、最悪な、犯罪だと思う。

振り回される「回り」が居なきゃいいんだろとか言われることもある。だからそうじゃないんだって。

自殺というのは自分の生命を賭けて自分の生きる世界を積極的に否定する行為なんだよ。

「自分の生きる世界」には必然的に自分以外の人間も含まれているし含まれざるを得ないんだよ。

会ったこともない人だって、世界には含まれている。

そしてそこに含まれるすべての人間を積極的に全否定する行為、それが自殺。

どう転んだって正当化なんかされないよ、そんな行為。そりゃキリスト教も罪悪視するよ。

Permalink | 記事への反応(7) | 16:59

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