インキュベーター(QB)『あらら?鹿目まどかの意思は確認した?』
ほむら『私はあの子が居なくて淋しいのに。あの子も人としての幸福を放棄するなんて考えられないって趣旨の事を言ってたのに。私はあの子を助ける自分になりたいのに。なんでよってたかって否定されちゃうんだろう。』
QB『いや、結果から見て擁護する人達も結構居る様だけど。で、君の結界の中の、記憶が封じられた鹿目まどかではない、本来の彼女にとって、“魔法少女を救済する概念である《円環の理》という女神になり、更には僕たちの干渉の結果としての人類の文明進歩と宇宙の寿命延長を担保する事への使命感”と、“彼女の人並みの幸福への私情”とが、どちらが上位か下位であるかを知りたいんだけど、その件での、まどか当人の意向は明示されているの?』
ほむら『やっぱり認めちゃいけなかったんだ。まどかの契約の時、私はどんな手を使ってでも、まどかを止めなきゃいけなかった』
ほむら『私が悪魔化と世界改竄をしなかったらQBがまた円環の理への干渉を企むかもしれないのに』
QB『いや、所詮宇宙人が女神に敵う訳が無かったし。で、鹿目まどかの、この件についての意向は?』
ほむら『え?ごめんよく聞こえなかった』
QB『あ、えーと、、暁美ほむらによる世界改竄と、それが干渉した、鹿目まどかの概念化により構築された円環の理システムに関する、鹿目まどかの具体的な意向への確認は行ったのかな?』
ほむら『何で?』
QB『あ、えーと、』
ほむら『何の?』
QB『え?』
ほむら『ん?』
QB『この事案における、まどかが“助けられた”か否か、まどかの“幸福”を判定する上で無視出来る訳が無いまどか自身の意志と価値観を知りたいから、彼女にそれを確認したかどうか教えてくれないかな?』
QB『いや、だから。それが為されているかどうか、どうすればそれが為されるかの判断の大前提となる、まどかの価値観を確認したいから』
ほむら『怒ってるじゃん。何で怒ってるの?』
QB『いや、僕はただ、君の世界改竄の動機となった、君の元来の願いである鹿目まどかを助ける自分になりたいという事案と、その達成の要件となる鹿目まどかの幸福の判定の上で、確認が必要不可欠な、この状況における鹿目まどか当人の意思や価値観の確認が為されたかどうかを…』
ほむら『 だ ま り な さ い 』
QB『』